人間が変わるのは、ただ一つの方法によってのみです。つまり、人間はその心が変化することによってのみ変わるのです。
ジョセフ・マーフィー
環境。起こった出来事。関わった人々。
人を変えるうる要因はたくさんある。だが、本当の意味で人を変える重要な要因が一つある。それが心である。
心とはすべての「起点」である。外側の世界をどのように捉え、どのような働きかけを行うか?それを決めるのが心である。心によって生じた行動は外側の世界で起こる出来事に影響を及ぼす。すべての行動の背後には必ず、その行動に至る心の影響がある。
ゆえに心の持ちようによって人生は様々、変化する。外的な要因から全く影響を受けないことはないが、それをどのように捉えかも心次第である。だからこそ、「人間はその心が変化することによってのみ変わる」のである。
はじめに
心とは考えであり、感情である。そしてそれは、世界の捉え方である。
「私は◯◯です」と感じ、考えているものこそが心であり、ゆえに心がその捉え方を変えたとき、「私は◯◯です」と感じる。そして、感じるものは感じた状態にあわせて変化する。
世の中には、外側から見れば「あなたはとても幸せな条件が与えられていますね」という人ですら、当の本人からしてみれば「何を言っているんですか?私の人生はベリーハードです」と感じている人がいる。
その一方で、「あなたは人生のチャレンジャーですね」と感じざるを得ないほど「不利」な条件が与えられているのにも関わらず、「私の人生は本当に最高です」と幸せなオーラが溢れている人がいる。
その違いは外的な条件のみよって決まるのではない。外的な条件と同等もしくはそれ以上に重要なものがある。それこそが心である。
心がそれがあることに気づかない限りそれは存在しない
心のあり方は自分自身をはじめ、世界のあり方も規定する。心が思考し、感じ、それに応じた事柄が外側に映し出されるからである。だからこそ同じ出来事が起こったとしても、人によって捉え方が変わるのは自然である。
ある人にはピンチが。そしてある人にはチャンスが。その違いを分けるのは、心のあり方である。もし外側の世界に問題が溢れているなら、「その不満の原因の本質はどこにあるのだろう?」という視点を持つことはとても大切である。
確かに問題は問題として現実に存在するかもしれない。だが、そこから何を見出すのかを決めるのは自分自身である。どんな状況であれ、暗闇のなかに光を見出すことはできるのだ。
逆に言えば、「すべては暗闇です」と心が閉ざされている限り、そこに光がかすかに見えたとしても、光の存在に気づくことはない。
「心の在り方を選ぶ」という重要な選択
心という視点で物事を理解する上でもっとも重要なのは、自分自身の有り様だろう。どのような生き方を選択するのか?そしてどのような人間として在るのか?それらを規定する決定的な要因こそが心の持ちよう、すなわち心的態度だからである。
肯定的な心的態度は私たちを肯定的な人生へと導く。なぜなら、肯定的な心的態度は私たちにチャンスや成功、豊かさや繁栄、幸せといった物事に気づかせてくれるからである。
その一方、否定的な心的態度は私たちを否定的な人生へと導く。なぜなら、否定的な心的態度は否定的な態度であるがゆえに、チャンスや成功、豊かさや繁栄、幸せの可能性があったとしても、それらを見えづらくさせてしまうからである。
その逆に、問題や困難、ストレスなどネガティブなものをより、見えやすく、感じやすくさせる。「私たちが意識を向けたものが現実で拡大する」というのは真実である。
最後に
人が変わる。それは年齢や外見など、表面から見えるものというよりはむしろ、本質的な意味で「内面の変化」こそが人が真に変わるということを意味する。
アメリカの心理学者ウィリアム・ジェイムズは次のような言葉を残している。
「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」
心とはすべての起点である。最初の動機によって物事の結果が決まるとするならば、人生の現実を作る根本は心にある。
だからこそ自分を変えるなら心の在り方を見つめ直す。それはやがて、自分自身の外面的な姿、有り様、行動、そして運命、自分に関するすべての事柄に影響力を行使するのだから。
出典
『マーフィー 眠りながら巨富を得る』