人が人に対して行う評価は、あまりあてになりません。
だからもし誰かから低い評価を受けたとしても、「この人は自分のことをこんなふうに見ているのだ」という程度に受け止めればいいのです。
高い評価をもらえるように努力することは大事ですが、必要以上に落ち込んだり、気に病んだりすることはありません。
佐々木常夫
人付き合いにおいて大切なのは、人が言うことに対して、いちいち真剣に捉えないことだ。
とくに、自分に対しての評価は、なおさら真剣にとらえないほうがいい。耳半分、軽く聞き流しておく程度がちょうどいい。
というのは、結局人は人。皆自分のことが一番で、人のことをじっくり評価している人は少ないからだ。
だから、
「お前はダメだ」
「お前のここは最低だ」
などと他人から評価されたとしても、そんなものはいちいち気にする必要はない。
たいていは、そのときの気分とか、「こいつは気に食わない」など、個人的感情とかによって、非合理に評価されていることが多い。
だから、他人からの評価をマジメに捉えるほど損をする。テキトーに聞き流すくらいがちょうどいいのだ。
そして、マジメな顔をしつつ、「ご指摘、ありがとうございます」とでも言っておけばいい。人からの評価など、そんなものだ。
結局、自分と一生付き合っていくのは自分である。だから、自分のことを一番正しく評価できるのも自分である。
ただ、ごくまれに、人の本質を驚くほど理解してくれる人がいる
彼らはきっと、あなたの良いところ、悪いところを正確に指摘し、あなたがもっと輝くためのヒントに気づかせてくれる。
それだけは素直に心から、受け止めることが大切だ。例外として、真摯に受け止めておいて損はないだろう。
出典
『それでもなお生きる』(河出書房新社、2014年)