世の中の人は結構、基本姿勢が不機嫌って人が多いですからね。本人は気づいていないんですけど、通勤の電車なんか見るとわかりますよね。でも、それで『幸せになれないなぁ』って悩んでいるんですよ。
そして、そういう人はいつも同じことを言うんですよね。『不幸なことばかり起こるのに上機嫌なんてなれるわけないだろ!』って。そうじゃないんですよ。基本姿勢が不機嫌な人に、毎日の人生で起こる幸せの種を見つけることなんてできない。ただそれだけです。
運転者
物事には「原因」と「結果」がある。
良い行いは良い結果が。悪い行いは悪い結果が。それぞれ現象として訪れる。これはシンプルな話であり、小学校の道徳の授業で語られるような「綺麗事」のように思えるかもしれない。
だが事実はシンプルである。「自分が外に発したもの」はやがて自分に戻ってくる。それはとてもシンプルな、法則である。
はじめに
笑う門には福来る。良い機嫌でいることは良い出来事を引き寄せる。それだけでなく、悪い出来事が起こっても、悪い影響を抑えてくれる。この意味で、自分で自分の機嫌を取ることは「運を管理する方法」と言ってもいい。
確かに人生にはいろんなことが起こる。日々、不機嫌になってしまうことも起こる。だが何が起ころうとも自分自身の意思を持ち、自分自身の自覚的な選択によって「良い気分を選ぶ」ことはできる。
「良い気分を選ぶ」という「原因」を自分自身で作ることによって、それは幸運の呼び水となる。「良い気分を選ぶ」という心がけをすることにお金はかからない。始めようと思えば今すぐ、始めることができる。
それはある意味での選択である。「私は運を呼ぶ人生を選ぶ」という選択である。
運は「人から」運ばれてくる
想像してみてほしい。あなたの目の前に、とても機嫌が悪そうに見える人がいる。その表情からはイライラが伝わってきて、それだけでなくその人の全体から言葉にできないモヤモヤしたオーラが漂ってくる。
あなたはその人に近づきたいと思うだろうか。声をかけたいと思うだろうか?「声をかけたら面倒事に巻き込まれそうだ、近づかないでおこう」と考えるのが自然だろう。
その一方、あなたの目の前にいつ見てもニコニコして感じが良い人がいる。「なんとなく」良い雰囲気がして、近くに行くと楽しそうな感じがする。こんな人とはぜひ、友だちになりたいと思わないだろか。
私たちが住む世界は人と人とのつながりによってできている。吉報も悲報も、人を通じてもたらされる。この意味で運は「人を介して」運ばれてくるものと言える。だからこそ問題となるのは、私たち自身の在り方である。
それはとてもシンプルな話である。いつも不機嫌そうでイヤーな感じがする人、そしてニコニコ楽しい気分の人。「どちら」に吉報が届けられやすいだろうか?
「良い気分を選ぶ」という自発的な選択
悪いことが続けば嫌な気分になる。ネガティブな気持ちになる。それは自然である。だがもしその気分がさらに、嫌な出来事を引き寄せる「原因」になっているとしたらどうだろう?
嫌なことが起こっても、「それでも自分は、良い気分を選びたい」と考え自分の機嫌を自分で選び、周りから「お近づきになりたい」人になることを選んだとしたら、これから先にどのような楽しいことが起こるだろう?
確かに人生はいろんなことが起こる。それでもなお「個人の選択」として今日一日を、今年一年を、人生それ自体を、「機嫌良く過ごそう」と決めることはできる。
そして、自分の機嫌を自分で取れるようになることによって自分自身が変わるだけでなく、徐々に周囲で起こることもやがて変わってくる。「自分が発したものがやがて自分に返ってくるから」だ。
だからこそ「毎日の人生で起こる幸せの種を見つけること」は確かにできる。「自分の基本姿勢を自ら変える」というアクションを通じて。
最後に
もしもあなたがこの記事を読んで「話はわかりました。私もこれから、日々良い気分でいることを選びます」と決めたとする。そのときに起こることを最後にお伝えしたい。
不思議なことだが、あなたが「よし、私も上機嫌を習慣にしよう!」と決めたとき、なぜか「あなたが不機嫌になるような出来事」が起こり、あなたの出鼻はくじかれるだろう。だがそれでいい。
それはあなたの選択が間違いだからではなく、ある種の好転反応である。そしてそれは、「あなたは本当に、自分自身の運を選ぶことを決意していますか?」とその覚悟が問うている。
だからこそそれが起こったとき、自分に問いかけてみよう。「自分の機嫌は本当に、他人や周りの何かによって変えられてしまうようなものなのか?他人に自分の機嫌を左右されるより自分の機嫌を自分でとって、良い出来事を招く方が人生幸せではないか?」と。
問題や悩みがない人生はつまらない。だが基本的には人生で楽しいことが多い方がいい。幸せがたくさん訪れる方がいい。それならやはり、良い気分でいることが一番である。そして良い気分を選ぶことは、自分自身の選択なのだ。
出典
『運転者』