もしかしたらあなたも実感しているかもしれないが、大人になると新しい友だちを作るのは難しくなる。
名刺交換をして、「知り合い」を作ることはかんたんだ。
名刺の数を増やすだけなら、いろんな勉強会や交流会に参加して、ひたすら名刺交換する。それだけで100枚300枚は簡単に集まる。
しかし、いくら名刺を集めたところで、それが本当に意味があるかどうかは、甚だ疑問である。はっきり言うとほぼ役に立たない。
なぜなら、そこに本当の人間関係はないからだ。
大人になっても友だちは増やせる
例えば勉強会に参加して知り合った人々と名刺交換する。
自然と「今度○○へ行きましょう」という話になるのだが、ここでただの社交辞令で終わってしまうのがだいたい9割。
しかしまれに、社交辞令で終わらず、人間関係が作れる人も存在する。そういう人との関係は、仕事や損得は放置しておいて、単純に友だちになれるので、とても貴重である。
仕事も違う。生まれ育った環境も違う。そういう人たちと友だちになって、きちんと付き合いが続くのは本当に素晴らしいことだ。
私の経験で言うと、とある勉強会に参加。
そこで知り合った方たちと1度きりで終わらず、毎月継続的にお会いして、美味しい店に連れて行ってもらったり、経験したことがない未知の世界をいろいろ教えてもらった。
こういう出会いこそが本当に人生を広げ、そして豊かにしていくんだなぁと、改めて実感している。
なので、せっかく新しい人と出会ったのだから、それを社交辞令で終われせるのは本当にもったいない気がする。
なので、個人的には、名刺交換させてもらい、「この人とは馬が合うな」と思った人たちとは、積極的に食事に誘って、損得なしに友だちになりたいと思っている。
必要最低限の空気は読む
とはいえ、世の中にはいろんな人がいる。
相手にその気がなければ深追い厳禁で、「この人は社交辞令で終わらせたいのだな」という人には、あれこれ誘うのはただただ無粋である。
名刺交換して、一度誘って日程が具体的に決まらない場合は「そういうこと」だったと思って、大人としての礼儀を守る。
しかし、相手も本当に人間関係を広げたいと思っている場合は、実際に日程調整がうまくいき、お会いできることが多い。
それで仕事はおいておいて、何気ない話とか、好きなこととか話していると、年の差、性別関係なく、大人になっても友だちは増やせることを実感している。
もちろん、その関係を継続する場合はそれなりに大変だが、1年で3人でも4人でも、毎年社交辞令ではない友だちが増やしていく。
それによって、いろんなところでいろんなものが広がっていく。人生が豊かになるのは、間違いない話である。
友だちを作りたいならマナーは守る
とはいえ、ここで大切なのは仕事とか、利害関係を完全に横に置いておくということである。
たまに、勉強会で知り合った方のなかには、セールスやいわゆるマルチ等の目的を隠して接近してくる方も少なくない。
こういう場合、「なんだ、お金目的だったのか」と心象的には最悪である。仕事は仕事で、しかるべき人たちに、正当な方法でアプローチしていくのが良い。
しかし、友だちや人間関係を広げていきたいなら、仕事の話を持ち込まないのが大人の礼儀である。
あくまで個人として、誠実に、そして新しい出会いを楽しもうとすることが大切ではないだろうか。
仕事は仕事。プライベートはプライベート。その最低限の区別をつけおくことは、大人としての最低限のマナーである。
単純に考えて、誰が、お金目的、利益目的のために近寄ってくる人を信頼できるのか、という話である。
そういう関係は職場だけで十分である。仕事以外、プライベートには持ち込まないのが筋である。
人間関係を大切にするということ
大人になって本当に大切なのは利害が絡まない関係である。
社会人になれば、利害が絡む関係はいくらでも増えていくが、逆に利害が絡まない関係を増やしていくのは努力が必要だ。
だからこそ、利害が絡まない普通の友人が増えていくのは素晴らしいことだ。そして友人は、心構え次第で、大人になっても増やしていくことができる。
こうして、1年1年、いろんなと出会って、人間関係が広がっていくのを目の当たりにすると、改めて、そのことを実感する。
特に、大人になっても親切でいい人と出会えるのは本当に素晴らしい。
大人の人間関係は社交辞令でいろいろ空気を読む必要があって、学生時代のように、率直な人間関係を築くのが難しいが、それは不可能ではない。
求める気持ちさえあれば、それはいつかどこかでやって来る。
ということで、もしあなたが社会人となり、年々人間関係が狭まっていくようであれば、積極的にいろんな場所に顔を出して、友だちを作ることができる。
もし、馬が合いそうな人が見つかったら、ぜひ社交辞令で終わらず、ご縁を大切にしてみてほしい。
もしかしたらその新しい人間関係があなたの人生を、今よりもっと豊かにしてくれるかもしれないのだから。