出会いさえありさえすれば恋愛が成就するのではありません。出会いを「縁」にまで高めることができれば、出会いは偶然以上のものになります。
岸見一郎
人生において人は出会うべく人と出会う。
世の中ではそれをご縁とか、運命の人と言うが、ここで忘れてはいけないのが、出会い即ご縁になることはない、ということである。
せっかく出会いがあったのにそれを受け身でムダにする。するとそのご縁は無縁に終わる。だからこそ大切なのは出会いをムダにしないこと。出会いをご縁に変えていくことである。
与えられた出会いをムダにしない考え方
気になる人と出会ったら、自分から視線を向ける。笑みを浮かべ、声をかける。そんな些細穴な行動でも構わない。つまりは自分から出会いをご縁に近づけていく。
この姿勢こそがまさに、人生で出会うべき人と出会うこと。すなわち運命の人と出会うために必要なことである。
そう、出会いを待っているのは構わない。出会うべき人とは、人生の出会うべきタイミングにおいて、必ず出会いが与えられる。
だからこそ、そのときがやって来たら、ただ待っていてはいけない。自分がすべきことをして、出会いをご縁に変えていく。それが大切なのだ。
出会いを縁にするために
与えられた出会いを大切にする。
そうすれば運命の人は絶対に逃げない。お互いがお互いに、必要な学びを得るために、必要な関係を作ることができるだろう。
なぜなら人との出会いは目に見えないが重層的につながっていて、思わぬところで、出会いが連鎖していくからだ。
「この人は自分に必要じゃない」
「好きじゃない」
そういう感覚的な理由で与えられた出会いをスルーしてしまえば。その先にあるかもしれない本当に大切な出会いを、見逃してしまうだろう。
最後に
人生において無意味な出会いはない。正確に言えば必要性。必然性が会ったからこそ、その出会いは用意されている。
その機会を正しく生かし、ムダにしないことによって、出会いを偶然以上のものにすることができる。
今日あなたは、誰かと出会う。あなたがその出会いを無下にしなければ、あなたはその出会いを、「縁」にまで高めることができる。
それこそが一番、大切なことなのだ。
出典
『愛とためらいの哲学』