心理学者によると、人生の悩みの9割は人間関係によってもたらされるという。
本当に人生の悩みの9割が人間関係なのかはわからないが、たしかに、幸せなことも不幸なことも、その多くは人間関係が原因になっていることは確かだ。
なぜなら、世の中には本当にさまざまな人がいるからだ。良い人もいれば、そうでない人もいる。この意味で言えば、人間関係においては理想主義よりも現実主義を貫く方が、日常生活を平穏に保てる可能性が高いと言えるだろう。
トラブルを運んでくる人
人は人によって幸せになるが、その逆もまた然りである。
幸せの形はいろいろあって、一概に「どんな人と一緒にいれば幸せになれるのか?」その特徴を具体的に特定することはできない。
しかし、不思議なことに不幸の形は全国共通である。この意味で私たちに問われているのは、「誰と付き合い、誰と距離を置くのか?」という自覚的なチョイスである。
世の中に出れば、さまざまな人と出会う。そして、出会う人すべてがあなたに好意的な人とは限らない。この現実がある以上、人と関わる上での最低限の対策は、必須と言える。
すなわち、「君子危うきに近寄らず」。少しでもあなたの直感が警告サインを発したなら、その直感を信じることは、決して間違ったチョイスではない。
自分の直感を大切にする!
あなたの人生に問題を持ち込む人には、共通点がある。シンプルかつ分かりやすいのは、
1.人の悪口を言う人物
2.人が傷つくのを見て喜ぶ人物
この2点である。
これらに加えて、
3.接していると不安な気持ちになる人物
4.(理由がわかる場合も、わからない場合も含めて)なぜか嫌な気持ちにさせられる人物
5.肉体的・精神的に危険を感じる人物
には、注意した方がいいだろう。自分の本能が警告を発したときは、そのサインに素直に従うことが大切である。
プライベートはもちろん、仕事などでどうしても危険人物と関わらなければならない場合には、距離感を自覚的に意識して立ち振る舞うことが必要だ。距離とは、安全性を確保するための防壁である。
私たちは、自分を変えることはできても、他人を変えることはできない。その現実がある以上、自分の幸せを守るためには、自分の対応を変えることが最も適切な方法である。
「人間性」を信じることは一つの生き方であり、尊い信念かもしれない。しかし、目の前の現実に応じて自分の身を守ることを優先するのは、決して恥ずかしいことではない。
最後に
人生の悩みは、人間関係の悩み。
関わる人は、実害がない人。すなわち、人を無意味に傷つけず、足を引っ張らず、反社会的な行動をせず、安心して付き合っていける人であるに越したことはない。
想像してみてほしい。あなたが毎日接しなければならない人がいて、その人が毎日、あなたの心を傷つける言葉を連発する。ときに暴力をふるい、周囲にあなたの悪評を吹き込む。
あなたのことを一切認めず、悪いところだけを指摘してダメ出しを連呼し、マウントを取ろうとし、常にあなたの心、そして人生を揺さぶり続ける。
そんな人が365日近くにいるならば、お金があっても、幸せなことがたくさんあっても、あなたは決して「私の人生は幸せです」と確信することは、かなり難しいだろう。
逆に、周りにあなたを幸せにする人がいなかったとしても、あなたの人生に“毒”をもたらす人さえいなければ、人生はそこそこ幸せに生きていける。だからこそ、周囲との人間関係はとても重要である。
だからこそ、「人生の悩みの9割が人間関係」という話は、あながち間違ってはいない。人との付き合いを選ぶことは、あなたの人生そのものを選ぶことに等しいのである。
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