人生は七転び八起き。
一切の失敗をせず、一切の絶望を感じず、やることなすこと全てうまくいき、目の前にはバラ色の人生が広がっている。全て幸福があるのみ。そんな人生は非現実的である。
人生は突如逆風が吹く。自分の努力や意志、考え方。そんな一切の条件を無視して、理不尽な現実を目の前に提示してくる。だから人生で転ぶことは仕方ない。それは自然なことである。
ただし。転んでもただでは起きない。人生でつまづいて転ぶたび。何かをつかみとるのである。
目指すは「結果的に」転んでよかった人生
人生で辛いことの一つは、自分が今まで苦労して築き上げてきたことが、見るも無残に失われていく経験である。それはあなたに一切の非がなかったとしても、現実的に起こりうる。
例えば、あなたが自分の人生を信じて前向きな考え方を持ち、理想を現実にするためのあらゆる試みを継続した結果、自分の居場所を作り上げることに成功しても。
それがあなた以外の外的要因によって、台無しにさせられることは起こりうる。「あなたはもう一度ゼロからやり直しなさい」と無慈悲に宣告されうる。
このような現実がやって来たときにまず大切なのはその現実を否定せず、正面から直視することである。
「良いことを考えていれば良いことが起こる」と願うことはできる。しかし実際の話として、良いことを考えても悪いことは起こるし上手くいくときはいくら悪いことを考えていても良いことが起こる。
今のあなたなら、そのことを理解できるはずである。
これが本当の意味でのポジティブ思考
奇跡を信じたところで奇跡が起きなかったとしてもそれはかまわない。大切なのは不屈の心。傷を受けてなお前進していくという、強い心構えを持つことである。
確かにあなたはこれから大変な逆風のなか、一歩一歩、前進を続けていかなければいけないかもしれない。しかし、その状況のなかでなお現実を直視し、前へ進んでいく。
転んでも起き上がる。そしてその都度何かを学んでいく。その経験でしか学べないことを学び、成長し、逆境を乗り越えていく。それによってあなたの人生は最後に、帳尻が合うようになっている。
だから大丈夫。あなたが自分を見捨てない限りにおいて、今の経験は必ず、これからのあなたを成長させるために必要な痛みであったことに、気づく日が必ず来るだろう。
転んでもいい。転ぶことは自然である。そこからまた、あなたは自分の歩みを踏み出していけばいい。それはあなたの人生における新しい上昇の始まりである。
「生き残ること」を最優先する
ここで一つ、具体的なことをお伝えするなら、現状における痛みについて、早めに見切りをつけることをおすすめしたい。すなわち、どう考えても今すぐ状況が好転しそうにないことが明白な場合。「引き際」を見誤らないことである。
今現状が厳しくなっていく状況のなか、「これからきっとここから良くなっていく」と信じることは大切である。それは「長期的」にはそうであるが、短期的。もっと具体的に言うなら数年内に「良くなっていく」状況を実感できる可能性は厳しい。
そのため、冷静に考えてあなたが今の状況を維持したまま最悪3年生き残れる確信を持てないなら。今の段階で、痛みを覚悟したほうがいいだろう。つまり短期間で状況が改善せず悪い状況が続くことを想定して動くのである。
この場合、痛みを感じることは避けられないだろう。
しかし今痛みと直面することによって今後長い目で見るならば、あなたが復活するチャンスをつかみやすくなることだけは確かである。それは私自身の経験からも強くお伝えすることができる。
すなわち「もう無理だ」と自分の本音と告げているなら。精神論や根性論はもはや役に立たない。今、痛みに耐えられる段階で「引く」という選択肢を検討しておくことをおすすめしたい。
それができれば傷は浅くすむ。そしてあなたが今後復活するチャンスを待つことができる。
最後に
長い人生でなぜ私たちが何度も何度も挫折を経験するのか?
その理由は今すぐには分からない。しかしそれは長い目で見れば必ず分かる。つまり、あなたが転び、つまづくことは無意味ではない。むしろその経験はあなたにこう要求している。「ここから学び、前進しなさい」と。
だから転んでも大丈夫。あなたが最後まで自分を信じ、その経験から学び、前進する限りそれはあなたへの呪詛ではなく、祝福となるだろう。
きっと1年2年、もしかしたら3年以上。大変な時期が続く可能性はある。
しかし忘れてはいけない。それは人生長い目で見れば、一時的なことである。そして、悪い時期を乗り越えれば必ず、良い時期がやって来る。「生きてて良かった!」という瞬間がやって来る。
それだけは強く、あなたにお伝えしたい。