なぜ人は、泣きながら生まれてくるのか

人生にピース

辛抱しなければならぬ。

我々は泣きながらこの世に現れた。最初に空気をかいだとき、人は泣きわめくものなのだ。

教えてやろう。よいか。

人間が生まれるときに泣くのはな、この大いなる愚か者の舞台に上がってしまったからなのだ。

リア王

私たちがこの世に生まれて真っ先にするのは、大声を上げて泣くことである。

よくよく考えれば、これはとても不思議なことである。

もし生まれることが喜ばしいことなら、この世が喜びに満ちた、可能性溢れる世界であるならば、なぜなぜ私たちは泣いてこの世に生まれてくるのか?

それを考えると、もしかしたら、私たちは世の中について、考え違いをしているのかもしれない。

私たちが生まれた瞬間に泣く。

それは、生きることの大変さを、潜在的に感じているからではないか?この世がどれだけ厳しい世界なのかをすでに知っているからではないか?

実際問題、生老病死、生きることは様々な苦しみを伴う。

そう考えると、私たちがこの世に生まれた瞬間に大声を上げて泣く理由も納得できる。そして、人生に必要以上の期待を抱かずに済む。

もちろん、ある程度は、人生に期待はしていいかもしれない。しかし、期待しすぎない方が幸せに生きられる場合もある。

「人生は厳しいもの。そして、厳しいなか、ときどき良いことがある」

それくらいに思っていた方が、人生はずっと生きやすくなるのかもしれない。

目次
出典

『シェイクスピアは誘う』(小学館、2004年)

人生にピース
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