私たちは人生において良いことだけ。
失敗などせずに、悩みのない人生が送れることを成功した人生、幸せな人生だと考えがちである。
しかし、良いことしか起こらない人生を幸せな人生だとか、成功な人生だとか考えると、近い将来不幸になることは間違いない。
なぜならそんな人生を送ることはそもそも無理。無理を追いかけることは、不幸への最短ルートを歩むことになるからである。
はじめに
栄枯盛衰、驕れる者久しからず。
この世の中、人生どんなにうまくいっている人でさえ、その生涯で何から何まで完璧な人生。
失敗や挫折が一切ない人生を送っている人はいない。上がって下がって、らせんを描きながら成長していくのが、そもそも人生の仕様である。
だから、とんでもなく人生がうまくいくときがあれば、とんでもなく人生がうまくいかないときがある。それがそもそも自然なことで、ある意味順調に進んでいる証拠である。
なぜ成功しか知らない人は不幸なのか
逆に、人生早い段階でとんでもない不幸や不運を経験した人ほど、後年の人生で、心穏やか。余裕を持った人生を歩む傾向にあるのは不思議な話ではない。
一方悲惨なのが、若い頃から人生がうまくいきまくり、勝ちまくって来た人である。
若いうちに挫折を経験することができず、やることなすことうまくいく。深く悩まずとも人生がうまくいくので、自然と鼻が高くなりすぎる。
だから人生その後。ガツンと痛い思いをするのである。それでワンパンノックアウトさせられてしまう人が、案外多いのである。つまり、成功しか知らない人は打たれ弱い。
敗北を知る価値と意味
人生ワンパンでノックアウトされないために、山あり谷あり。そこそこ幸せでそこそこ不運なことが交互に起こる人生は、とてもツイている人生である。
人生がうまくいっても調子に乗りすぎることはないし、うまいくないことがやってきたら不運や不幸への耐性ができる。
何より、適度に成功して適度に失敗するので、人生勝ち続けることはできないこと。何をどうしても悪いことは起こりうることを学べること。
これが長い人生で、大きな意味を持つ。
人生がうまくいかない意味がある
人生努力すればうまくいくとか、そういう話ではない。どう頑張っても、努力しても、ある日逆風は突然吹く。
人生勝ち続けることができない事実を知っているか知っていないか。たったそれだけのことだが、メンタル的な余裕を持つ意味でも、その影響は計り知れない。
「人生はうまくいかない。失敗して当然だ」
そのことを知っていれば、人生がうまくいかなくなったときでも、無理に自分を追い立てることはしない。
なぜなら長い人生、うまくいかない時期があることそれ自体に、意味があることを知っているからである。
雨が降ったら傘をさせばいい
晴れの日は外に出て思いっきり遊ぶ。天気が荒れたら家に引きこもってゆっくりする。
それと同じで、人生には良い時期悪い時期、それぞれに相応しい、過ごし方がある。
勝ち続けて「良いことだけ」の人生を送ることは、そもそもが不可能なのである。だから人生は失敗してもいい。負けて地べたに這いつくばり、絶望と挫折感に屈してもいい。
ただしこのことを忘れてはいけない。
「人生悪いときはあるけれど、良いときだって必ずやって来る」
大切な必要なことを学ぶこと
人生それぞれの時期。それぞれのタイミングで、必要な気づきを得ることができる。
人生がうまくいっているときはうまくいっているとき。人生がうまくいないときはうまくいかないとき。それぞれ、そのタイミングでしか学べない、貴重な気づきがある。
人生で起こることはすべて自分にとって意味があること。そう考えれば、一つもムダにはできない。
そして、人生全て自分の思い通り。勝ち続ける必要もない。それは人生の仕様上、そもそもが不可能である。
最後に
勝ち続ける人生はつまらない。
勝負すれば絶対勝つ。負けることは絶対にない。そんな勝負は退屈で、「俺はスゴいぞ!」はすぐに飽きる。
敗北を喫し、屈辱を噛み締めて、臥薪嘗胆するからこそ、勝ちの喜びはひとしおだ。勝って負けて、上がって下がって。人生はらせんを描くからこそ面白い。
幸せも喜びも、不幸も哀しみも。結局全ての出来事は、人生を豊かにするための、貴重な栄養なのである。