この世で不幸になるためにかんたんな方法の一つは、特定の何かに「執着」することである。そしてその対象が「人」ならば、なおさらあなたはかんたんに不幸になれる。
なぜなら、自分は自分で人は人。自分のことは自分の意思で変えていくことができるが、人を変えることはできない。あなたが人の気持ちを変えたいと思ったとしても、それはどうにもならない話である。
更に言えば、人の気持ちを変えようとする試みをする必要性それ自体が、ない。
はじめに
私たちはそれぞれの人生で、様々な人と出会う。そして、その出会った必然性を実感するための、様々な経験をすることとなる。
だから出会いの「意味」があるうちは、あなたが表面的にどう感じていようとも、その関係は続く。そしてそれぞれが出会った必然性を実感するすべての経験が終わったとき。その関係もまた、終わるようになっていく。
それは、それぞれが次のステージへと向かっていく時を告げるサインである。
変わらない関係はない
どれだけ関係が深くても。どれだけ想いが強くても。人の気持ちはやがて変わる。そして、新しいステップへと進んでいく。
いくらあなたが相手に変わらないでいて欲しいと願っても。今の関係が永久に続いて欲しいと願っても。その願いが叶うことはないし、叶う意味もない。
あなたがここで意識しておくことは、今その関係が充実しているなら、ぜひその関係を大切にすることである。
そして「変化の兆し」を感じたら、それは何かが変わり始めた証拠である。それは今までの関係が変わっていくことを示唆している。心の準備をしておいた方がいいだろう。
時が来たら自然に任す
一つの終わりは一つの始まり。何かを失えば何かが得られるのが、この世のルールである。
一つの関係が然るべき形で終わるからこそ、その出会いはあなたの人生に意味を成す。そして、時が来れば再び、新しい出会いが与えられる。
だからこそ終わりを告げられた関係に執着してはいけない。長い時を経てそれぞれが出会った必然性を実感しているからこそ、変化の時は訪れる。
それを無理やりせき止めることはできるかもしれない。しかしあなたはこれから起こる大切な何かを歪めてしまう可能性がある。
もう気持ちは変わってしまった。そのことに気づいたら、それはそれで、いいのである。必要なタイミングで必要な事柄を「手放す」ことは、人生の立派な知恵である。
最後に
人の気持ちは必ず、変わる。そしてそれは決して悲劇ではない。大切なのは関係に執着するのではなく、変化を「必要な出来事」ととらえ、受け入れることである。
今はその理由は分からないかもしれない。しかし、のちのち「あの時あの出来事があったからこそ!」という時がやって来る。
だからそれに執着してはいけない。変わろうとするものはただ変わっていけば、いいのだから。