
人生において、いつでもどこでも持ち運べる武器がある。しかもそれは、どんなときでも役に立つ。それが「心の強さ」だ。
心は「外側」から見ることはできない。数値化して、その状態を把握することもできない。
だが、心の強さこそが、私たちの人生において、最初から最後まで、常に影響を及ぼし続ける。心の状態は、内的にも外的にも、私たちのあらゆる活動を左右するからだ。
では、どうすれば心の強さを鍛えることができるのか?この記事では、そのために踏み出すことができる、小さな一歩について書いていく。
はじめに
心の弱さ。その影響はまず、外部刺激に対する「防御の脆さ」として現れる。
思考、行動、対人関係。ほんの小さな刺激によって心は波立ち、かき乱される。感情は上下に激しく揺れ、水平を保つことができない。その結果、本来選ぶべき行動に「ブレ」が生じる。
たとえば「本番に弱い」人はその典型だろう。プレッシャーという刺激に心を飲まれ、持てる力の半分も発揮できずに終わる。
だが、この「本番」という言葉を「日常」に置き換えてみてほしい。心の弱さは、日常のあらゆる場面で、私たちの能力を削り取る継続的なデバフ(弱体化)として機能する。
一方、心の強さとは、外部からの衝撃を吸収し、受け流す「しなやかな防壁」だ。多少の刺激で自分が揺らぐことはない。
だからこそ、日常は極めて安定したものになる。感情に振り回されず、対人関係や仕事において、常に高いパフォーマンスを維持できる。
すなわち、心の強さとは人生の「土台」に他ならない。人生という建物を、より高く、より素晴らしく建てるために不可欠な、決して揺るぐことのない地盤なのだ。
小さく、適度に、落ち込んでいい
ではどうすれば、心を少しでも強くすることができるのだろうか?そこで着目したいのが、「少しずつ」という視点だ。
私たちは、変化に慣れていく生き物だ。それが急激な変化であれば、その変化に適応できず、大きなダメージを受けてしまう可能性がある。
だが、小さな変化を、継続的に与えていくことで、私たちは無理なく、それに適応することができる。
例えば、仕事で小さなミスをしたとき。その場で上司に叱責され、その日は落ち込むかもしれない。だが、リカバリーできるはずだ。こうした、小さなストレスやプレッシャー、落ち込みを大切にするのだ。
ミスをする。嫌な気持ちを味わう。日々の小さなストレスを感じつつ、そこからリカバリーしていく。つまり少しずつ、心に与えられた小さなストレスと向き合うことによって、心を鍛えることにつながるのだ。
心を鍛える、日々の小さなトレーニング
「心が折れる」という表現がある。それは、自分が今、耐えられる以上のダメージを受けたときに起こる。
大きすぎるダメージは心を強くするどころか、壊してしまう可能性がある。だからこそ、心を強くするために大切なのは、小さなダメージを受けることを恐れず、むしろその小さなダメージを大切にすることだ。それは、本当に小さなことでいい。
朝、職場へ向かう電車のなかで誰かにぶつかられたとき。SNSで攻撃的な言葉を見たとき。上司に仕事の過失を叱責されたとき。大切な人と口論をしてしまったとき。
そのときは「イラッ」するかもしれない。嫌な気持ちになるかもしれない。悲しい気持ちになるかもしれない。モヤモヤしてしまうかもしれない。だけれど、それを自分に許す。
そして、感情のまま反応するのではなく、「すぐに気持ちを切り替える練習」と考えてみる。こうした日常の小さなストレスを感じることに、OKを出す。そして、その感情を自分で処理する方法を身につける。
こうした小さな行動こそが、心を少しずつ強くするための練習になっていく。だからこそ、私たちの人生は、快適過ぎてはいけない。適度なストレス、失敗、挫折が必要なのだ。
最後に
自分の外側に、学歴や資格、お金、何でもいいが、いくら丈夫な「鎧」を身につけようと、肝心の内側、つまり心の強さを身につけなければ、それらが強さを発揮することはないだろう。
自分の外側にあるものは結局、自分の内側にある心によって、良くも悪くも、変わってしまうからだ。
だが、強い心は、特別な人だけが持つものではない。心は鍛えることができる。日々の小さな積み重ねで、誰でも鍛えることができる。そして鍛えられた心は、どこにでも持ち運ぶことができ、しかも24時間365日、働き続ける。
これからの時代、本当に財産と呼べるものは、まさにちょっとやそっとでは壊れない、強靭な心の強さではないか。そう強く感じている。

