幸福とは人間の成熟度の指標である。

髭の男

幸福を追いかけている間は、おまえは幸福でありえるだけに成熟していない。

たとえ最愛のものがすべてお前のものになったとしても。

ヘルマン・ヘッセ

恋人がいない、お金がない。

自分には足りないものがある。人生で欠けているものがある。それさえ満たすことができれば幸せになれる。

不幸を感じているとき、ついそんなふうに考えがちだが、人生の面白いところは、欠乏感を抱いていると、たとえ今欠けているものが満たされたとしても決して幸せになれない、ということだ。

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「ない」という意識が引き寄せるもの

恋人がおらず孤独で不幸を感じている人は、たとえ恋人ができたとしても、今度は恋人を失う恐怖に怯え、幸せを感じることができない。

お金がなくて不幸を感じている人は、たとえ収入が伸びて自由になるお金が増えたとしても、「お金が足りない・・・」と欠乏感に怯え、満足することができない。

というのは、結局はないないない、欠乏感に気持ちを支配されている限り、何を手に入れようと、いつまで経っても満たされることはないからだ。

絶対に満たされない不幸感

ゲスな表現で申し訳ないが、幸せを探して何かを手に入れようと頑張ることは、オ○ニーをして自己満足し、一時の快楽に求めるようなものだ。

行為後はほんの一瞬だけ最高に気持ちいい。

しかし、すぐに虚しさと倦怠感、疲労感が押し寄せてくる。何度しても本当の意味で満足することはない。だから何度も何度も繰り返す。

それは決して終わることがない虚しさを慰める孤高の行為だ。

成熟するから幸せに気づく

本当に幸せになりたい、満足した気持ちを味わいたい。

それは外的な何か(恋人やお金)を手に入れて成し得るものではない。それは今満足できることを見出してこそ味わえるものだ

今自分がどれだけのものを持っているかが分かる。どれだけの良いものがあるかが分かっている。

それが、「幸福でありえるくらい成熟している」ということだ。

自分の人生をありのままに受け入れる

今の人生がたとえどんなものであろうと、自分をありのまま肯定できる。今の人生を受け入れることができる。

本当にそれができたらなら、自然と「自分の人生も悪くない」と納得できる。

幸せは探すものには見つけることができない。それは、探すもののではなく、見出すものだからだ。

幸せになりたいのなら、まず何よりも、今の人生からたくさんの素晴らしさを発見し、人生丸ごと肯定できるくらいの、人間的成熟を目指そう。

そうすれば幸せなんて探す必要はない。そこらかしこに、幸せが満ちていることに気づくから。

出典

『ヘッセ詩集』(新潮文庫、1950年)

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