「理想の私」になっても幸せになれない理由

もっと気楽にいこう

どんな「私」を実現したつもりになっても、それは所詮偽物のその場しのぎにすぎず、そんな偽物を守るために更なる苦しみを増やすだけのこと。

理想の「私」という幻を追っても、本当の幸せにはならないと分かれば、肩の荷が下りるはずです。

小池龍之介

「自己実現」をして理想の人生を実現する。欲しいものを手に入れ、理想の人生を実現し、それによって幸せになることができる。

私たちはそんな幻想を与えられて生きている。

理想の仕事をして、理想の人間関係を築いて、理想の人生を生きる自分になる。それは輝かしく、そして幸せに溢れた最高の人生のように思える。

常に上を目指して幸せを求めていくこと、人として自然な姿なように思える。その先に幸せが待っているような気がする。

だから私たちは「理想の自分」を目指し、幸せになるために自己実現しようとあがく。

ところがもしかりに、「理想の自分」になれたとしても、そこでハッピーエンド、人生がめでたしめでたしになることはない。

人は何かを得れば、必ず「もっと」が欲しくなる。理想の自分になって、欲しい現実を手に入れたとしても、満足できなくなっていく。

なぜなら、人の自我は常に誇大化して、欲望と満足には限りがないからだ。

欲求によって心が満たされずに苦しむ。欲しいものを手に入れても、理想の人生を実現しても幸せになれない。私たちの人生にはこんな罠が仕掛けれている。

手に入れればもっと欲しくなる。どんなことも慣れて満足できなくなってしまう。つくづく、人生で真の幸福を得ることは難しいものだと思う。

出典

『つながらない関係』(青春出版社、2017年)