お前たちの胸には憎しみや嫉妬がある。憎しみや嫉妬を知らないと言えるほど、お前たちは大きくない。だったら、憎しみや嫉妬を恥じない程度には、大きくなれ!
ニーチェ(『ツァラトゥストラはこう語った』より)
嫉妬、憎しみ、悲しみ、絶望。
人は誰でも否定しがたいネガティブな感情を持っている。しかし、これらの感情はあまり表に出されず、いびつな形で表現されることが多い。
人は暗闇を嫌い、光を好む。自分のなかのネガティブな感情を無計画に表現することは、すなわち人から拒絶されるリスクを伴う。
それゆえに賢い人ほど、ネガティブな感情を表には出さず、それとなく遠回しに表現する。ネガティブは人間の本能的な感情であるがゆえに、むき出しにすればそれは自分自身に返ってくる。
だからこそ、ネガティブは「扱い注意」なのだが、一つ朗報がある。それは、ネガティブな感情に敏感な人、つまりネガティブを感じやすい人ほど、実は人生で大きなチャンスをつかみやすいということである。
この記事ではその理由について、お伝えする。
なぜ、不幸の数だけ幸福がやって来るのか?
表では否定されがちなネガティブな感情だが、実は人の生存や成長において大きな役割を果たすことが多い。
世の中で功成り名遂げた人は、嫉妬や劣等感など自分のなかのネガティブな感情を薪にして情熱を燃やし、成功した人も多い。
「学校でいじめられた…」
「実家が貧乏で周りの友人がうらやましかった…」
「恋人から裏切られ、見返してやりたかった…」
成功者の伝記や本を読むと、このような話をよく見かける。
それは嫉妬や劣等感、復讐心といった感情も、使い方によっては人生を好転させるきっかけになるという事実を示唆している。つまり、ネガティブな感情が「原因」となって、人生のチャンスをつかんでいるのである。
これが人生で損しない考え方!
マイナスをプラスに転嫁することで、人生は好転していく。
だからこそ、ネガティブな感情、自分のなかの暗い思いは、人への悪意にするのではなく、自分を昇華させるための材料にする。
それを誰かに向ければ、その人だけでなく自分も傷つく。しかし、それを自分を高める力に変えれば、マイナスはプラスに転じる。
実際、いわゆる成功者には、欲張りで嫉妬深く、劣等感が強い人が少なくない。
大切なのは、ネガティブな感情の使い方である。誰かにバカにされて悔しい。異性に相手にされず辛い。会社でゴミのように扱われて無念である。
だったら彼らを見返してやればいい。自分がもっと良い自分になることによって。
ネガティブを自分を飛躍させる燃料に変える
ネガティブな感情は本能である。ゆえに、そのエネルギーも強い。問題は、その使い方である。
ネガティブな感情を自己否定や他者否定、破壊的なエネルギーとして用いることは容易だが、それは無駄遣いに等しい。本能としてのネガティブは、自分自身の幸福に活用するためのものである。
私たちは、ネガティブという大きなエネルギーの力によって、マイナスをプラスに変える推進力を得ることができるからだ。
だからこそ、ネガティブを感じたときは同時に、そこから行動のためのエネルギーを引き出すべきである。そのエネルギーを使って、本来あるべき、より良い自分を目指そう。
それはまさに「バネ」である。私たちを低い場所から高い場所へと引き上げる、「バネ」である。
最後に
「ネガティブな感情は悪である」とは必ずしも限らない。ときに「悪」とされる感情によって、私たちは人生を大きく変えるためのエネルギーを手に入れることができる。
大切なのは使い方である。ネガティブな感情そのものは、必ずしも悪とは言い切れない。
「あいつが幸せになるなんて許せない」と誰かに嫉妬心を抱いたとき。
「この野郎、今に見ていろよ!」と激しい怒りに駆られたとき。
そのネガティブな感情は、誰かを滅ぼすために使うのではない。自分自身をより良く変えるための燃料として、有効活用するのである。
そのエネルギーはとても強い。うまく使えば、人生を変えるきっかけを与えてくれるだろう。
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