忘れてはならないことは、私たちが敵と思っている相手は、私たち自らが敵につくりあげたものだということです。
親友とか敵というものも、私たち自身の心の反映にほかなりません。相手も、私たち自身が心の中に描いている姿に反応して、私たちを好いたりきらったりしているのです。
C・M・ブリストル
人間関係で悩んだときにそれを人生の気づきにするために意識したいことが1つある。それは、「自分の周りにいる人はすべて自分の心の反映である」という法則である。
良い人であれ悪い人であれ、周りにいる人はすべて、自分の心の反映である。周りにいる良い人が持っている良いところは、あなたも必ずそれを持っている。
しかし、周りにいる悪い人が持っている悪いところは、あなたも必ず同じものを持っている。
例えば、あなたの周りに、常にあなたをイラつかせる人がいる場合。
その人を見れば、なぜかあなたは無性にイライラする。なぜその人を見るとイライラするのか、具体的に考えてみる。
すると、実はそのイライラさせられる要素が、実は自分の中にもあることに気づく。それを人は同族嫌悪だとか、そういう言葉で表現するが、つまりはそういうことである。
基本的に、特に身近でイライラさせられる人。無性に気に食わない人。それは、まさに自分の分身と考えるのが心理学的には正しい。
自分のなかの自分では認めたくない姿。それが、目の前に投影されている。だから、無性にイライラし、気に食わないのだ。
このように、今、あなたの周りにいる人達は、必ず何からの必然性があるからこそ、あなたの目の前に現れる。
必要な気づきを得て、今まで気づこうとしなかったことに気づけば、不思議なほど、不愉快な現象は消えていく。
そう、人は鏡。自分の心は目の前の人に投影されることに気がつけば、それが貴重な人生の気づきとなるのだ。
出典
『新訳 信念の魔術』