せこい人にはせこい人生が待っているのです。
林真理子
お金の使い方ほど、その人の人格が出るものはないと思う。
鷹揚な人は、お金の使い方も鷹揚で、人を喜ばせたり、自分や周りが幸せになるようなお金の使い方をする。
だから、いっしょにいる人も楽しいし、豊かな気持ちを味わえる。でもケチな人は、お金の使い方がケチなだけでなく、生き様すらケチである。
だからケチな人とは関わらない
自分の労力を出し惜しみ、いかに自分が楽をするか、得をするかしか考えない。だから、ケチな人といっしょにいると、常に消耗するような気持ちになる。
好きなことにお金をつかわず、守銭奴の如くお金を惜しむ。ケチケチしていれば小金は貯まるかもしれない。
でも、それによって失うものははかり知れない。いくらせこせこしても、行き着く先は、せこくて貧しい人生しかない。
この意味で、お金の使い方は人生そのものではないかと思う。
豊かな人はただお金があるだけの人ではない
豊かにお金を使う人は人生も豊かだし、仮にお金を失っても、また然るべき豊かさを取り戻すことができる。なぜなら、その人自身の人生が豊かだから。
でも、豊かさを捨て、守銭奴の如くケチな人は、お金を貯めるだけで、その人生そのものは致命的に貧しい。だから、お金を失くしてしまえば、文字通り全てを失う。
このことを考えると、本当の豊かさとは何なのか、お金とどう付き合うのか、どうすれば幸福になるのか。
自分なりの答えを持っておくことが必要なのかもしれない。
出典
『野心のすすめ』(講談社現代新書、2013年)