計算高さ。それは人生を生き抜くために必要な知能

視線

計算をするとき大切なのは、誤算をすることを計算に入れておくことだ。

森博嗣

人生を生き抜くために必要なのは、リスク管理だ。

世界は限りなく理不尽であり、善人が幸せに生きられず、悪人が堂々と闊歩する。

努力が必ずしも報われるとも限らず、上手くいっていたことが、最後の最後でダメになることもある。一寸先は闇であり人生は何の保証もない。

だからこそ、「上手くいかない」というマイナスの視点から、物事を考えることも大切だ。

「最悪」を想定して動く

世の中にはポジティブ教とも言うべき宗教がある。それは、ポジティブに考えればなんでも上手くいくという、超楽観的思想だ。

ポジティブに考えていればいい気分になるかもしれないが、予想外の出来後や、思い通りにいかないとき、そのポジティブ思考の底の浅さに気がつくことになるだろう。

賢者でさえ自身の未来は見通せず、計算を誤ることもある。万が一に備えるのは、この混沌たる世の中を生き抜く上で、当然のことなのだ。

自分のことを優先するのは当たり前の話

「こう振る舞ったら周りから反感を買うだろう」

「○○さんとつるんでおけばいざというとき助けてもらえる」

「最悪これをしたらこういう結果が予想できるからやめておこう」

計算高くあれこれ考えることは人としていかがなものかという批判があるのが実情で、計算高さを人に知られてしまったとき。

周囲の信頼を失う可能性は確かにある。

とはいえ、自分の人生を本当に考えることができるのは自分をおいて他にいない。

他人にどう思われるかということよりも、自分の人生を優先する計算高さは、人からとやかく言われる覚えはない。

むしろ、「すべての人はみな自分のことを第一優先して動いている」と考えて動いた方が現実を見間違えない。

計算高さは生き残りに必要な知能である

ということで、誰かを傷つけ、人の道に反することさえしなければ。

最低限の計算高さを持って、自分を優先させることにためらう必要は何一つない。

むしろ、すべての言動において「誠実」に振る舞うことは自分で自分の首を締める悪手である。

なんでもかんでもバカ正直にならず、必要に応じてサラッと嘘をつく。それくらいの不誠実さは大人の世界では必要な話である。

嘘で自分を塗り固める必要はないが、何をすれば自分が得をするか。何をすれば自分が損をするか。客観的に理解しておくことが大切だ。

つまりは計算高くてもノープロブレム。それは世の中で自分を守っていくための知恵なのだから。

出典

『常識にとらわれない100の講義』(大和書房、2012年)

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