陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転ず。
人生を生きていく上で重要な概念。それが「循環」である。
上に登れば下に落ちる。下に落ちれば上に上がる。この世界には、一つの勢いが極まった瞬間、そこから真逆の方向へ進んでいくという法則が存在する。それが「陰陽転化の法則の法則」である。
すなわち「陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転ず」。陰が極まれば陽に転じ、陽が極まれば陰に向かい、循環していくのである。
はじめに
すべての物事には両極が存在する。
正と負、光と影、幸福と不幸。コインの表と裏のように、物事には「両極」が存在する。そして、どちらかのバランスが偏り行き過ぎたとき(一つに極まったとき)、それは逆転する。
正に偏りすぎた場合は負が。光が当たりすぎれば影が。不幸のどん底に落ちたときが幸福の転機となり、幸福の絶頂に到達した瞬間不幸が忍び寄ってくる。それはまさに、「陰陽転化の法則」のとおりである。
それは必ず、終わる
どん底は幸福の始まりであり、「もうだめだ・・・」となった段階から逆転が始まる。それは「陰陽転化の法則」が働くためである。
陰極まれば陽に転ず。実際のところ、どん底に到達したらもうそれ以上は悪くなりようがなく、あとは上に上がるだけである。
人生はなにかと、幸せには思えない出来事が訪れるものだが、どんな困難な状況に陥ったとしても「それは必ず終わる」ということを自分に繰り返し、言い聞かせることが大切である。
陽極まれば陰に転ず
基本的に「陰陽転化の法則」は人生の逆風時に心の励みとなる法則であるが、人生が好調の人ほど、「陰陽転化の法則」はある意味重要である。
陰極まれば陽に転ず。そして陽極まれば陰に転ず。「最高」に到達した瞬間。それはすなわち、下降の始まりである。
成功の頂点に到達した人に突如としてスキャンダルや問題が突如として発生すること。過去最大級の売上を達成した企業が没落すること。このような事象は枚挙にいとまがないがないが、その事象はまさしく、「陰陽転化の法則」のとおりである。
「最高」ではなく「ほどほど」を目指す
上にいるときほど、下に落ちたときのダメージは大きい。
「人生で完璧を目指してはいけない。ほどほどで満足せよ」という経験則があるが、その理由をもうあなたは、気づいているだろう。最高に到達すればあとは落ちていくだけ。「ほどほど」の段階にいるほうがむしろ安全である。
自分もお金も仕事も趣味も人間関係も。人生ですべてを望むがまま得ることを目指すのではなく、ほどほどで満足する。不満はあれど程よく満足である。このバランス感覚こそが我が身の人生を、守るのである。
最後に
どんな困難もやがては終わり人生の春が巡る。そして春が終わり夏という勢いのピークを迎えた瞬間。再び冬が巡ってくる。一つの勢いが極まればそれは反転しそれまでとは逆の方向へと向かう。
「それは必ず終わる」ことを意識しておくことは、良いときであれ悪いときであれ、とても大切なことである。そして、状況が悪ければ悪いほどそれからは安楽が。状況が良ければ良いほど、その後それ相応の困難が予想される。
だからこそ人生は「山あり谷あり」なのだろう。そして山にいよう谷にいようが人生には意味があるはず。価値があるはず。そう信じることが大切なのだ。
出典
陰陽思想の概念より