意識を向けたものは拡大する。ゆえに問題はプラスを見るかマイナスを見るか

長い髪の女性

もはや何一つ失うものはないと思っているあなたは、ほかならぬそのことによって、まだあなたに残っているものを失うことになるのです。

あなたの手もとの破片を拾いなさい、あなたに残っている僅かばかりのものを、注意ぶかく気を配って大切になさい。そしたらやがてその僅かばかりのものが、あなたをなぐさめてくれるでしょう。

努力を怠ればその報いがわが身に返ってくるように、努力を達成すればそれがわれわれを救ってくれるのです。しがみつくものとしてはただ一つの枝しか残っていないとしても、その枝にしがみつくがいいのです。

シャルル・ヴァグネル

自分が焦点を当てたものは拡大する。

幸せに目を向ければ更に幸せが見つかる一方、「自分にないもの」や「今抱えている不満」に目を向ければ、ますますそれらが増えていく。

大切なことは「足りないもの」「欠けているもの」に目を向けるのではなく、すでに「あるもの」に気づくことである。

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はじめに

人生とは考え方。

意識の持ちようによって物事の受け止め方は180度変わってしまう。それは「持っている」のに幸せを実感できない人。「持っていない」のに幸せを実感する人を見れば瞬時にその理由が分かる。

今「持っているもの」を当然の権利の如く認識している人に、その有り難さ、その価値を実感することはできない。

一方で、今「持っているもの」をありがたく受け取り感謝する人は、その真価を存分に実感することができる。それゆえに「持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる」。

「残されているもの」に気づく

目の前の現状がどうであれ、「意識の持ち方」や「焦点の当て方」の違いによって、その先に見えるものは大きく変わる。

「ピンチはチャンス」という言葉はまさにその事実を端的に示しており、マイナスにはプラスが、そしてプラスにはマイナスが必ずある。

だから、そのどちらに意識を向けるのか?焦点を当てるか?その違いによって、ある人にとってはピンチはただのピンチしか見えず、また別の人にとっては、チャンスが見えるのである。

それは今目の前のあらゆる状況も同じことである。「自分には何もない」と考えるか。それとも「自分にはまだ○○がある」と考え、自分に残されているものを見出そうとするか。その選択によって、その後の状況は変わるのである。

だからこそ「その枝にしがみつく」

繰り返しになるが、どんなプラスにも必ずマイナスがあり、どんなマイナスにも必ず、プラスがある。そして、「そのどちらに意識を向けるか?」という選択が、私たちに委ねられている。

プラスに意識を向けることを選択することによって、プラスは徐々に拡大されていく。そして、マイナスに意識を向けることを選択することによって、マイナスが更に拡大されていく。

だからこそ、現時点で自分に残されているものが「ただ一つの枝しか残っていない」としても、「その枝にしがみつく」。それによって、その枝は「ただ一つの枝」ではなく「自分を救う命綱」となるのである。

最後に

「今自分に必要なものはすべて与えられている」

この考え方が事実かどうかは正直分からないが、個人的にはとても好きな言葉である。

今の自分がどうであれ、自分が先に進むために必要なものはある。そう信じて今できることを着実に実行していく。その結果やがて道は開けていく。そう信じている。

現実を変えるために必要なのは、目に見えるような大きな「奇跡」ではなく、今自分ができることを理解し、それを愚直にこなしていく。それによって状況が変わっていく。

だからこそ今は「ただ一つの枝」にしがみつくしかないのであれば、必死にしがみつけばいい。必死にしがみついていれば、やがて状況が変わるのだから。

出典

『簡素な生活』