相性というのは、もっと深く、豊かなものです。人生に意味のない出逢いなどありません。人生で巡り合う人たちは、その時々にメッセージ、役割を持って、あなたの前に現れるのです。
中園ミホ
私たちはこの世で様々な人と出会う。そこには、良い人やそうでない人、様々な出会いがある。
ここで重要なのは、出会いを「良い」「悪い」というラベルで判断しないことである。なぜなら、「出会いがあった」ということはそれ自体、重要な意味を持つからである。
良い出会いもそうでない出会いも、それぞれに意味がある。人生には無駄なことは何一つ、ないのである。
はじめに
人生は人を通じて開かれる。そして、出会った人にはそれぞれの役割があり、私たちに必要なメッセージを届けてくれる。それらを大きく分けると次の4つがある。
1.成長
2.気づき
3.選択
4.共有
成長
その出会いによって私たちが人として一皮むける機会を与えてくれる人である。恩師といった「良い人」だけでなく、あなたにネガティブな体験を与える「悪い人」も、あなたの成長を促すという意味において重要なメッセージを伝えてくれる人なのだ。
気づき
間違った行動をしようとしているとき、「それ以上はやめておきなさい」という警告を与えたり、進むべき道へと進むためのヒントを提供してくれる人である。彼らによって伝えられるメッセージは「間違った道へ進まない」という意味で重要である。
選択
人生の岐路に差し掛かったときどちらへ進むか?その選択の根拠や可能性を提示する人である。選択の結果によってその後の人生は分岐する。彼らは私たちに問いかける。「あなたはどちらへ進むのか?」という選択を。
共有
あなたと経験や感情を共有することによって、共感的な役割を果たしてくれるサポーター的な人である。
あなたの人生に大きな影響を与えてくれるというよりも、陰ながらあなたを支えてくれる存在であり、人は独りでは生きてはいけないことを教えてくれる存在である。そして彼らは伝えてくれる。「大丈夫ですよ」と。
与えられた縁を無駄にしないためにできること
いつどこで、誰と出会ったか?その意味を10年単位で振り返ってみれば、そこには何かしらの意味があったことに気づく。
それは関係の長い短い、そして浅い深いを問わず、どんな一瞬の出会いであれ、そしてそれが衝突やトラブルなど表面的には「悪い」出会いであれ、その出会いに意味があったことを実感させられる。
大切なのは、その出会いが「良かった」「悪かった」ということを判断することではない。その出会いがあなたにとって一体どんな意味を持っているのか?彼らがあなたに伝えるメッセージは何なのか?それに気づき、受け取ることである。
「役目を終えた縁」は自然に切れる
縁とは本当に不思議である。その出会いによってもらたらされたメッセージを受け取ったとき。その縁は終わる。
今ここで、何らかの関係が継続していることには意味があり、いくら私たちが望もうとも「役目を終えた縁」は自然と切れていく。そして一つの縁が切れたとき、また新しい出会いが訪れる。それは決して、偶然ではない。
「袖振り合うも多生の縁」という言葉のとおり、縁がつながったことそれ自体に意味がある。その出会いは予定されていたものなのかもしれない。
最後に
他者を通じて私たちは、人生のままならなさだけでなく喜びや生きる意味を見出す。
今なぜ、この出会いが与えられているのか?この関係がもたらす意味は何なのか?それを偶然ではなく、「自分に対するメッセージ」として読み解くことが大切である。
「良い」「悪い」を問わず、それぞれの出会いによってもたらされたメッセージを受けとることによって私たちの人生は、新たな可能性が見出され、展開していくのだから。
出典
『相性で運命が変わる福寿縁うらない』