人生出会いあれば別れあり。
今までご縁があった人とも、いよいよ分かれるときがやって来る。そのときが来たら、自分の気持ちがはっきりそう、教えてくれる。
それは決してごまかすことはできない。なぜなら、自分の本当の気持ちは、絶対にウソをつけないからである。
自分の気持ちにウソをつく不幸
一緒にいてもどうもしっくりこない。気持ちが安心できない。心の奥で感じる違和感が拭い去れない。
相手にそれなりの魅力があった場合、私たちは理性でそれを納得しようと、自分にウソをつこうとする。
例えば、この人は良い会社に勤めている。公務員をしているから将来は安定している。一緒に暮らせばお金のことでは困らない。
頭でいろいろ「言い訳」を考えて、関係を続けようとする。しかし人生の皮肉は、自分の気持ちを軽視して損得で物事を考えると不幸になる、ということである。
つまり、頭で「こうなれば幸せになれるはず」という、損得で選んだことは結果的に間違いで、かえって自分を不幸にしてしまう、という話である。
本当の誠実さとは
この意味で、心は絶対にウソをつかない。
目先の損得より、自分の気持ちがどう感じているか。それが本当の意味で、自分にとっての幸せの羅針盤である。
「この人と一緒にいても幸せではない。一緒にいる必然性を感じない。これから先、未来をともに生きていく人ではない」
そう心が告げたときはそれが正しい。
自分の気持ちにウソをつかずに、正直になることこそがある意味、一番の誠実さである。それは自分だけでなく、相手の人にとっても、である。
あなたが「この人は運命の人ではない」と感じている場合、それは相手にとっても同じこと。無理して一緒になることは、お互いの不幸である。
最後に
人生において、人とのご縁は、必要があるからこそ与えられるものである。
逆に言えば、役目を終えたご縁は自然に消滅していく。それは自分の心が終わりをハッキリと感じている。
大切なのは役目が終わったご縁を、素直に手放すことである。
もう既に出会いの役目が終わっているのに、何らかの形で執着してしまうことは、返って人生の妨げとなる。
誰かと出会い、付き合い、そして、「この人は、人生を一緒に過ごす人ではない」となったときは、もうそういうことなのだ。
自分の気持ちにウソをつかず、また新しいご縁がやって来ることを待てばいい。
長い人生、本当に一生をともにする人がいるならば、その人とは必ず、出会うことになるのだから。