「きっと良くなる」と信じることはただの気休めではない。なぜならそれは実際に

女性の後姿

「物事は一定の段階に到達した瞬間、反対の方向へと進んでいく」という法則がある。

たとえば人生には「良くなる前に悪くなる」というお約束の現象がある。それは人生が「悪くなっていく」流れがその極限まで到達した段階でついにその流れは反転し、そこから「良くなっていく」という仕組みである。

人生、今そこにある目の前の現実だけを見て「もう、どうしようもならないです」とその先の未来を悲観することはある意味で仕方がない。

だが「どうしようもならない」状況が訪れた時点で既に状況が変わり始めるタイミングが訪れているということを知っておくことは、長い人生を生き抜くための大切な知識である。

「夜明け前が一番暗い」のは、そこが闇が最も覆う時間だからである。そこからは徐々に、光が差し始めるのだ。

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はじめに

すべての物事は状態である。状態とは一時的なものであり、「変わらないもの」は何一つない。

良い時期であれ悪い時期であれ、成功であれ失敗であれ、すべての事柄は一時的な状態である。今手元にあるお金は今そこにあるという状態である。今手元に何もないとしてもそれは今の状態である。どんな状況であれそれはやがて変わっていく。

今目の前に楽観できる状況が何一つなかったとしても、今さえ生き抜けば状況は変わっていく。人生は私たちを崖の手前まで追いやりながらそこで財宝を与えるような、天邪鬼なことをしてくるものである。

今人生が悪くなっているとしてもその流れはやがて終わる。そして、「もうどうしようもならないです」とあなたが空を仰いだその瞬間、既に運勢は変わり始めている可能性がある。

だからこそ重要なのはその流れに振り回されることではない。人生どんなときも自分自身の選択によって、心を上向けることが大切ではないか。

昔の人は「笑う門には福来る」とは言ったがこの言葉は本当に素晴らしい。なぜならそれは「自分の人生はなんとかなる、良くなっていく」という信念だからである。

これこそが人生の新陳代謝!

人生には文字通り変革のタイミングがあり、何かが目に見えて変わっていくタイミングがあるように思う。

その過程においてある意味で半強制的に、それまで自分が手に入れてきたもの、身につけてきたもの、築き上げてきたもののなかで「再生」後の自分に不必要なものは、半強制的に手放させられるような出来事が起こるようだ。

その理由はシンプルで、古いものを手放すことで、(それからの人生で必要な)新しいものを手に入れるための「余白」を作る必要があるからだと考える。

例えばあなたがペットを飼っているならペットには1年のうち、古い毛が新しい毛へと生え変わる時期があることをご存知かと思う。古い毛が抜けていくとき、そして新しい毛が生えてくる。単純な話だが、これはある種の自然のサイクルである。

今までうまくいっていたのにうまくいかなくなってしまった。それならうまくいかなくなったことにこだわり続けるのではなく、今までとは違うことをすればいい。全く別のことをしたくないなら、今までやってきたことを別の方法で取り組めばいい。

いずれにせよ、変化が訪れているということはそれは人生から「新生」が求められているということを、自覚することが大切である。「今まで」が変わることによってこれから、人生で新しい何かが始まるのだから。

「大切なもの」に気づくとき

人生で新しく何かが始まっているとき、現実の兆候として起こるのは「私は今、幸せです」ということよりもむしろ、「私は今、ピンチです」という現実の方がが目につきやすい。

病気。失業。孤独。自己喪失。「人生がうまくいっていません」という「証拠」のようなものを目の前に突きつけられているとき、そこから「これは転換期です。これから人生が新たに良くなっていく転換期です」と理解するにはある意味で知性が必要である。

繰り返し当メディアでも述べていることだが、「人生がうまくいっていない」という時期は長い人生においてとても価値がある時期である。「人生がうまくいっていない」からこそ、その時期は私たちにとっての「本物」が明確になるからである。

人生がうまくいっているときに近くにいた人が突然いなくなる。それまで築き、手に入れたものを手放すことになる。だがそれは、本当に不幸なのだろうか?否、そんなことはない。それでもなお、手元に残るものがある。それこそが「本物」である。

人生で本当に大切なものこそ、普段なかなか気づくことができない。人生が再び上向く前にこそ、自分にとって本当に大切なものに気づくことが大切なのだ。

そして何か失えば必ずそれ相応の別の何かが用意される。古いものが離れていけば新しいものは入ってくる余白が生じる。こうして人生は次のステージへと循環していくのだ。

最後に

現在個人的に考えていることを率直に言うと、今の時代は大半の人々にとって、幸せや希望を感じにくい時代なのだと考えている。

今何が起こっているのか、「本当のこと」は自分から探しにいかないとそれを見つけることはできない。だが今私たちが生きている時代は、今までとは違う出来事が起こり始め、それによって私たちが生きている世界の現実は、望む望むまいと変わるだろうと考える。

「混沌」という言葉こそが現在において私たちが置かれている時代を説明する最も適切な言葉だと考えるが夜明け前は近い。

あまりに悪くなりすぎた状況は底を迎えた段階で変わっていく。暗闇はやがて晴れ再び、空が光り輝く。確かに今現時点ではその光を力強く感じることはできない。確かにそれはまだ、弱い。だが確実に光は差し始めている。そんな希望を感じている。

だからこそ強調したい。夜は必ず明ける。人生は長い。人生を見捨てさえしなければいつかきっと、良い時期が訪れるのだ。