大事なことは、生き方や働き方の選びなおしについて、頭ごなしに「お金がないと無理」と決めつけないことです。
人生はホントに長くなりつつあります。自分はこれからまだ３０年、４０年も、今の仕事と働き方を続けていきたいのか、もう一度よく考えてみてください。
そして、もしなにかしらやってみたい人生や働き方があるなら、それを、なんとか実現できる方法はないか、真剣に考えてみるのです。
結果としてどんな道を選ぶにしろ、自分の人生設計に複数のシナリオを用意し、きちんと検討した上で一つを選ぶという方法は、たとえ机上の空想にすぎなくても、大きな価値があります。
ちきりん
当たり前かもしれないが、人生は一度きり。
その一度きりの人生で、本当に価値がある仕事、自分が人生をかけて取り組みたい仕事を選ぶか、それとも、ただお金を稼ぐためにやりたくもない仕事を３０年４０年続けるか。
その問題については、真剣に考える価値がある。
たとえば、もしあなたが今３０歳をこえておまけに家庭を持ち、養う家族がいるとする。この状態の場合は、もはや自分の好き嫌いを云々する余裕はない。
だから今どんな仕事をしていたとしても、そこに全力を尽くすことに意味がある。そして家族のためにお金を稼ぐ必要がある。
これはとても尊い行為で、誇り高い一つの生き方である。
しかし、もしあなたが今２０代３０代でまだ職業選択をする自由が残されているとしたら、ぜひそのチャンスを無駄にしないで欲しい。
人生は本当に長い。そして、日々いかに生きているか。それこそが、人生の質、そして意味を決定づける。
だからこそ、ほぼ毎日取り組むことになる仕事については、お金だけはない、別の何か、意味を見出したい。
その仕事は楽しいか。自分を精神的に豊かにするか。そして、この仕事を続けることで、「自分の人生はこれでいい」と心から思えるか。
正直に自分と向き合い、どんな仕事を選ぶべきなのか。真剣に考えてみたい。
遅かれ早かれ、結局何かの仕事で生きていくことになる。だから、まだ選べる自由があるうちに、この問題については真剣に考える価値がある。
大切なのは、あなたが老人となり、仕事から引退し、それまでの人生を振り返ってきたとき、「人生はこれでよかった。この仕事をしてよかった」と納得できる道を選ぶことである。
だからこそ、もしあなたに「こんな仕事がしたい！」と思う理想の仕事があるなら、諦めずに実現を追い求めていこう。
この人生はたった、一度きりなのだから。
出典
『未来の働き方を考えよう』
