
『目からウロコの! 「生き方」人間学』という本に、次のような一節がある。
人生は人との出会いで決まる。
人との出会いは運命のようなもので、自分の意志では決めることができない。だから、どんな人との出会いも、それは必ず意味がある。
自分の人生を振り返って、人との出会いにどんな意味があったか、振り返ってみるとよい。
(P55より)
この言葉を読みながら、「そうだ、確かにそうだ」と自然に頷いている自分に気づいた。
というのも、私自身、これまでの人生を振り返ると、まさに人との出会いによって進む道が変わってきたと感じるからである。
習い事を始めるきっかけ、仕事の選択、住む場所の決定。どれをとっても、「あの人と出会ったから今の自分がある」と思える出来事がいくつもある。
もちろん、出会いの中には学びや試練を伴うものもある。ときには忍耐が求められ、自分を見つめ直さざるを得ない関係もある。
それでもなお、確かに「人生を決める出会い」が存在するのは事実だ。
出会いとは「運命」なのか?
ある人との出会いをきっかけに、仕事が変わり、住む場所が変わり、「新しい何か」が始まることがある。その結果、これまでとは異なる方向へと導かれ、人生そのものが大きく動き出すのだ。
こうした「人生を変える出会い」は、理屈ではなく自然な流れの中で訪れることが多い。特別に意識していたわけでもないのに、その人と関わるうちに、気づけば自分の歩む道が変わっている。まるで、人生の案内人と出会ったかのような感覚である。
しかも、それが本当に「特別な出会い」だったと気づくのは、時間が経ってからのことが多い。「あぁ、あの出会いがあったから、今の自分がいるのだ」と振り返るとき、ようやくその意味が見えてくる。
だからこそ、「出会いは運命」という言葉には、深い説得力と温かい真実味があると感じるのだ。
「出会ったこと自体」に意味がある?
人間関係とは不思議なもので、「こんな人と知り合いたい」と願っても、思い通りにいかないことが多い。
しかし、学生時代の友人関係も、社会に出てからの一時的な縁も、よくよく振り返れば、そこに必然や意味を見出すことができる。
だからこそ、『目からウロコの! 「生き方」人間学』にあるように、「出会い=運命=意味があること」という考え方は、やはり的を射ているのだと思う。
「袖振り合うも多生の縁」という言葉があるように、日々すれ違う人、一瞬しか関わらない人。どんな出会いにも、何らかの意味があるのだろう。
人生の方向を大きく変えるような出会いはそう多くはない。しかし、不思議なことに、必要なときに、必要な人と出会う。それは決して偶然ではなく、自然の流れの中で起こることなのだと思う。
「今」関わっている人々との縁を大切にする
自己啓発書にはよく「すべての出会いに感謝せよ」と書かれている。
確かに、人との出会いがいかに人生を形づくっているかを理解すれば、どんな出会いも軽んじることはできなくなる。
もちろん、感謝という形で表す必要はないかもしれない。それでも、もしすべての出会いに意味があるのなら、たとえ悪縁であっても、それには何らかの学びや気づきが含まれているのだろう。
むしろ、それが後に「良い何か」につながるきっかけになるかもしれない。
人生は出会いによって作られていく。であれば、今いる環境や、今関わっている人々との縁にも、きっと何かしらの意味があるはずだ。
「この人と出会ったことで、私はどんな影響を受けているのか?どんな方向へ進もうとしているのか?」
そう考えてみるだけで、人生の見え方が変わってくる。
人間関係には良いことも悪いこともある。けれども、「出会ったことには意味がある」はず。そう考えてみることが、大切なのだろう。
さらに出会いの気づきを深めたい方へ



