「人生から求められているもの」>「人生で求めるもの」という発想の転換

考える美女

生きる意味を問うことをやめ、わたしたち自身が問いの前に立っていることを知るべきなのだ。

ヴィクトール・フランクル(精神科医、心理学者)

私たちは人生で、様々なことを望む。

富や成功、人間関係etc、幸せになることをのぞみ、豊かになることを望む。それは、ちまたに溢れる願掛け特集や成功本の流行を見れば分かる。

それはそうだ。不幸より幸せの方がいい。貧乏より金持ちの方がいい。孤独より友人が多い方がいい。その方が、苦痛を感じずに済むから。

しかし、ある心理学者はこう言う。希望の人生を願うよりも、「今自分が直面していることと向き合い、そこから人生の意味を見出せ」と。

この言葉の意味はこうだと思う。

私たちはこうありたいという目標(学歴やお金、人間関係)を目指し、その獲得を目指す。そして行動する。

そうではなく、今の自分という人間だからこそ経験していることの意味を理解し、そこから生きることの意味を見出す。

「こう在りたい自分」を追求するのではなく、「今在る自分」を追求していくのだ。それは自分しか見つけることができない、一人一人答えの違う問いだ

人は自分に課せられた問いを追求することで、本当の自分になっていく。それが体験価値と呼ばれる人生の価値であり、味わいなのだ。

出典

『夜と霧 新版』(みすず書房、2002年)