人生はもともと苦しいものだけど、これがあれば生きていける

優しさ

人生は苦である。しかし、それを生き続けることを可能にしてくれるのが慈悲なのです。

ジョーゼフ・キャンベル(神話学者)

人生で起こることは何もかも楽しくて、毎日が幸せ。人間関係も上手くいき、家庭もみんなハッピー。お金もたくさんある。仕事も楽しくて、毎日生きがいを感じている。

果たしてこの世のなかに、そのような「幸せな人」がどのくらいいるだろうか?

多くの人は、お金のためにしたくもない仕事をし、自分を殺して組織に従い、夢を現実に消費されて暮らしている。

家庭では家族不和。今や日本の離婚率は30%以上。3組に1組が離婚する時代だ。もはや、「愛」という言葉は今の時代、ナイーブすぎる。

だからこそ、理想は理想のまま、大切に仕舞いこんでおくのがいいのかもしれない。

実際の人生は、ゴツゴツした歩きづらい道を、大きな重荷を背負い、ただひたすら歩いていく苦行のようなものだ。

背中にはずっしりと、人生で背負う様々な苦しみがのしかかっていく。そのなかで、少しづつ、進んでいくしかない。

このような苦しみのなか、生きていく価値はあるか?

幸いなことにそれはある。「幸せ」というのは不思議なもので、苦しみが大きい人ほど、「幸せ」を感じられる力が育つ。

普段、大変であればあるほど、ほんの小さなことが、人生の救いになる。

97%の苦しみが、3%の幸せで癒されるのが人生の不思議なところだ。人生は苦しみが伴うが、そこには必ず幸せや救いもあるのだ。

それに気がつけば、人生の苦しみ、目の前の苦難も、多少和らぐかもしれない。

出典

『神話の力』(ハヤカワノンフィクション文庫、2010年)