人生に意味を見出す魔法の言葉

暗闇のなかに映える月の光

「悔いの無い人生」とは何か。

それは苦労も困難も無く、失敗も敗北も無く、挫折も喪失も無い、「完璧な人生」のことなのだろうか。

「悔いの無い人生」とは、安楽と平穏に満ちた人生、成功と勝利に彩られた人生、調和と充実で形容される人生のことなのだろうか。

そうではないだろう。

もし、それが「悔いの無い人生」の意味であるならば、この地球上に生を与えられたすべての人々が、「悔いのある人生」を生きることになる。

なぜなら、我々の人生においては、人により、その大きさの違いはあっても、かならず、苦労や困難、失敗や敗北、挫折や喪失があるからだ。

では「悔いの無い人生」とは何か。

それは、苦労も困難も無く、失敗も敗北も無く、挫折も喪失も無い、「完璧な人生」のことではない。

それは、こうした出来事を、次の言葉で語れる人生のことだろう。

「それがあったからこそ」

田坂広志

人生は一度きり。

その一度きりの人生で、できるかぎりの最善を尽くし、「自分の人生はこれで良かった」と心から思えるなら。自分自身で納得することができるなら。

その人生はきっと正解。何がどうあろうと、それで良かったのである。

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人生に失敗はない

私たちは、なりたい自分になって、夢を叶え、理想の生き方を実現すること。それこそがまさに、人生における成功だと考えるかもしれない。

しかし、もしそれだけが人生の成功だと考えてしまうと、「自分の人生は失敗であった」と自分の人生を過小評価し、その大切な意味を見失ってしまう。

そうではないのだ。

私たちの人生は、成功できなくてもそれは失敗ではない。なりたい自分になれなかったとしても。

人生は決して失敗ではない。生きるに値する何かが、必ずそこにあるのである。

約束されるただ一つのこと

残酷な挫折や失望。苦悩に喪失。

人生生きていく上で、自分の意志ではどうにもならない出来事がそこにあるのは、否定できない現実である。

いくら理想の人生を心に描き、それを実現しようと最善の努力をしたところで。

大きな運命の前では、自分の意志。そして努力がいかに無力なのかを、嫌というほど思い知らされるだけである。

この意味で、人生成功は何一つ、約束されていない。そのかわり、一つ約束されていることがある。

それは、人としての成長である。

これが「気づく」という意味

人生で何があろうと、私たちは立ち上がり、そこから何かを学ぶことができる。

たとえすべてを失ったとしても。すべての努力が無に帰して、理想の人生を実現できなかったとしても。

なぜそれが起こったのか。自分の何が問題だったのか。何かを学び、成長することができる。

だから人生、生きる意味は必ずある。

何かを実現することや、何かを手に入れることだけが、人生における成功とは限らないのである。

最後に

悔いのない人生を送る。

それなら人生の意味を決して、人任せにしてはいけない。すべての意味を、自分自身で見出すのである。

一体何のために自分の人生があったのか。何のために苦難や挫折。困難。失望があったのか。その意味に気づけるのは自分だけ。

だからこそ気づきたい。「それがあったからこそ、自分の人生は生きる意味があったのだ」と。

出典

『未来を拓く君たちへ』(PHP文庫、2009年)