孤独な人生を恥じる必要はない、なぜなら

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孤独

われわれは小学校の頃から、ずっと孤独は「いけないもの」と教えこまれているが、私はそうではないと言いたいのである。

ある人にとって孤独は自然な生き方である。

中島義道

誰かといるとき、人は自分の存在を確認できる。

友人、学友、仕事仲間、そして家族。人は人を通じて自分の存在を確認している。だからこそだろう、人は孤独になることを恐れる。

人から遠ざかること、関わりが持てないこと、一人で過ごすことは、とかくネガティブに思われがちだ。

たいてい、孤独な人間というのは、不気味で奇異なイメージが付きまとう。

しかし、孤独には素晴らしいところがある。本当の意味で、人が自分の深い部分を発見できるのは、一人でいるときだけだ。

孤独のとき、自分の内面を見つめ、その奥底に隠れている本当の自分の思いを発見できる。

そして、孤独の時期、人生の方向性を見極め、必要なものを探し、自信の力を高める投資期間にすることができる。

孤独から逃げ、安易に人のなかに戻っていく事は、せっかくの成長の機会を不意にしてしまう。孤独だからこそ、物事の真贋が分かるのだ

そして、真の人間関係はそういうときに見つかる。妥協を避け、孤独の時間に自分を浸し、そして時期がきたら、また人の中に戻っていく。

こうして人は自分のなかにある宝物を、人のために役立てるすべを見出すのだ。

出典

『孤独について』(文藝春秋、1998年)