人間の成長は失敗から生まれる。
挑戦して失敗し、そこでいろいろなことを学び、再び挑戦する。これが成長のサイクルである。だから人より多く失敗すればするほど、より早く成長できる。
競争を否定し、失敗を恐れて、できるものだけをやろうとすることは、いつまでもその場で足踏みを続けているようなもの。
前には進めずに、体力を消耗してしまう。
柳井正
人生よりよく生きたい。成功して生きているうちに、この世でいろいろ、美味しい思いをしたい。そこで避けられないのが、失敗による痛手である。
人生を変えるために行動を起し、失敗し、傷つく。そこで終了すれば、「その失敗は無意味だった」という結論になる。しかし、その失敗から学びさらに前進を続ける。これによって失敗はまさに人生の恩寵に変わる。
この意味で失敗は成功の母。逆に言えば、失敗のない人生で成功を手に入れることはできない。
人生には痛みを感じて初めて分かることがある
なぜ人生で失敗することが成功のもとになるのか?それは、失敗を経験することで、人生におけるリアルな痛みを感じるからである。
失敗してボロボロになる。自信を失う。自分のだめさをを実感する。その現実的な痛みがそこにあるからこそ、自分に何が足りないのか。何が問題なのか。真剣に考えることができる。
実際に痛みを味わうからこそ、それは長い人生において、大きな意味を持つのである。
安全な道を選ぶ代償
もちろん人生、転ばぬ先の杖。危険やリスクを避けて、安全な道に進むことはできる。
しかし人生の不思議なところは、今安全に思える道がこれから先もずっと安全とは限らない、ということである。
むしろ、みんなが安全だと思って殺到する場所にこそ、将来における危険が潜んでいる逆説がある。
いずれにせよ、失敗を恐れて安全を求めてばかりいては、本当に納得できる人生を送ることはできない。
最後に
「自分は自分の人生で、最高と言える成功をおさめたい。自分の人生に心から満足感を感じたい」
人生に野心や希望があるのなら、人生のあるタイミングで、それ相応の失敗は覚悟しなければならない。
問題は、失敗したあとのこと。失敗から得た学びを糧にして、「どうすればいいか」を突き詰めていく。
ここにこそまさに、成功のプロセスがある。そしてそれは、人としての成長のプロセスでもあるのである。
出典
『現実を視よ』