「自分はダメだ・・・」と悩んでもいい。そのかわり

悩む男

先天運は使いかたによっては身を亡ぼすかもしれぬ危険な武器だと思えばよい。

逆に先天不運はコンプレックスを我々に与えるが、そのコンプレックスが車のガソリンになることはアドラーのような心理学者の説く通りなのである。

コンプレックスが諸君にあるなら、そのコンプレックスを自分の出世、前進の有効なエネルギーに活用せよ。

遠藤周作

世の中は、生まれつき不公平なように思える。

ある者は生まれつき家が豊かで、おまけに容姿にも恵まれ、人生のスタートラインの段階で、他の人よりも一歩二歩三歩、先んじている。

一方ある者は、容姿に恵まれずそれゆえに、本来する必要のない苦労をするはめになり、「自分はダメなんだ・・・」とコンプレックスに悩む。

人間の世界はこんな現実があるが、幸い、朗報もある。それは、人生不思議なことに、持って生まれたものがアダになることも多いということだ。

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最初から恵まれている人生は本当に幸せなのか

最初から何もかも恵まれた者が、人生幸せになるとは限らない。何もかも恵まれない者が、人生不幸になるとも限らない。

生まれつき美しい容姿を持ったものが、その容姿の美しさにかまけ、自分を磨くことを怠ってしまう。

周りからチヤホヤされるも若い束の間のこと。その容姿は年とともに輝きを失い、空虚な馬鹿面に。その容姿の劣化は、本人に大きな災いを呼ぶ。

つまり、生まれつきの先天運は、使い道によっては自分自身を滅ぼしてしまう危険な武器のようなものなのだ。

一方、容姿に恵まれず、それゆえに苦しみを味わった者が、「容姿が醜い」というマイナスをカバーしようと努力し、自分を磨く。

結果、勉強、仕事が上手くいき、それによって魅力的な人物となった。そして、彼の本当の魅力を知る女と出会い、彼は幸せな家庭を築いた。

彼は生まれつきの先天不運のマイナスをエネルギーとして燃やし、自分の力で人生を変えたのだ。

世の中、こういうことがあるのだ。

これで人生はプラスになる

世の中は不平等で、人には生まれたときから格差があるのは事実である。

しかし最初から恵まれている人が本当に幸せな人生を送るのか。最初から恵まれていない人が不幸な人生を送るのか。

それは全く、別の話である。

なぜなら、与えられたマイナスは人生のどこかでプラスに変えることができるからである。

だからこそ、自分の人生がマイナススタートだったとしても。「自分の人生はダメだ」と、心までは折れてはいけないのだ。

マイナスがあるなら、コンプレックスがあるなら、それを燃料にして前へ進んでいけばいい。

そしてマイナスがあるからこそ、自分が思ってもみない、素晴らしい人生を手に入れることだってできる。

この意味で最終的に人生は自分次第。どうとでもなるのである。

出典

『周作塾』(講談社文庫、1998年)