他人をコントロールし、自分をコントロールし、自分の運命をコントロールしようと努力し続けた人間は、必ずその限界にぶちあたります。他人と出会えず、自分と出会えず、寂しさに陥っていきます。
たかだか一人の人間が、そう無理をすることはないのです。自然に普通にやっていれば、そこそこバランスのいいところにおさまるものです。
自分のパワーの限界を認めて、自分の無力を実感したところに、出会いがあり、人生の喜びが見つかるはずです。
齋藤学
人生を自分自身の手で切り拓く。そのために努力して、できることは何でも頑張る。そうやって頑張り続け、ある一定の結果を手に入れる。
それはそれで素晴らしいことだけれども、頑張り続ける人生は息苦しい。いつかどこかで、「もうこれ以上は頑張れない・・・」という壁にぶち当たる。
そこで初めて、世の中には自分ではどうにもならない何かがあることに気がつく。人生が自分自身の手だけで創り上げることができるものではないことに気がつく。そして自分の限界を思い知る。
ある意味、そこからが本当の人生スタートなのかもしれない。
人はコントロールできない。自分もコントールできない。ましてや、自分の運命を思い通りにするなど不可能な話だ。
それに気がついたとき、肩の力がすっと抜けて、より自然に、軽やかに生きていけるようになる。本当の自分が見つかるのは、そんなときだ。
だから無理なことは頑張らなくていい。人生で結果なんて求めなくてもいい。ときに努力することも大切だが、自分の思い通りを目指す必要はない。
ただほどほどで、できる範囲、頑張っていけばいい。
ほどほどのバランスで、自分にとって自然な生き方、無理のない生き方ができれば、それだけで十分だ。まぁ、気合を入れすぎず、無理せずに生きていこう。
出典
『「自分のために生きていける」ということ』