孤独のなかでも最も恐ろしい孤独

孤独な少女

仲間外れが嫌だから、孤独が嫌だからといって、自分を殺して群れに従うと、そこには本当の孤独が待っている。

山田玲司

「友だちが誰一人としていない」「周りに知っている人が一人もいない」

あなたはこのような状態を孤独だと考えるかもしれない。

それは確かに孤独な状態なのは間違いないが、これ以上に恐ろしい孤独があることを、あなたは知っているだろうか?

それは、周りに人がいるのにも感じる孤独である。

例えば、あなたは将来孤独死することを恐れ、あまり好きではなく、価値観が一致しない人との結婚を妥協的に選んだ。

その後月日が経ち、あなたには子どもができたが、子どもはあなたになつかず、あなたは家庭内で一人「孤立」をしている。

あなたの周りには常に誰かがいる。しかし、あなたのことは何一つ理解していない。あなたの存在をただ「便利」な存在としか考えていない。

あなたはこの状況を想像できるだろうか?

この孤独は、周りに誰も人がいない孤独よりもずっと、強烈である。つまり、人の輪の中にいるときに感じる孤独こそ、もっと悲しく、そして辛い孤独である。

周りに人はいるけれど、誰も自分のことを大切にしてくれない。誰も自分のことを理解しようとしてくれない。共通するものが何一つない。

こんな孤独を味わうくらいなら、いっそ周りに誰もいない方がはるかにマシである。

つまり、いくら孤独を感じたとしても、無意味に誰かと群れようとする必要はない。心のつながりを感じられない人と群れたところで、あなたの孤独はますます深まるばかり。

それならいっそ、群れから抜け出し、一人になった方がずっと良い。

不思議なことに、本当の意味で自分を貫き孤独になれば、なぜか突然、理解者が登場する。そこには妥協も何も一切ない。

そのときあなたは、何の努力もすることなく、孤独から抜け出すことができる。

孤独を恐れ、誰かと不自然に群れようとすれば孤独は深まるが、孤独を恐れずに受け入れて、本当の自分を大切にすれば、それを理解しようとする誰かと出会うことができる。

人生は常にこんな「逆説」が起こる。だからもしあなたが孤独ならば、何一つ恐れることはない。ただ、あなたは自分を貫き通せばいいのだ。

孤独は決して、恐れるものではないのだから。

出典

『非属の才能』