どう考えてもいかんともしがたい不幸は、この世に二つしかない。ひとつは食えない苦労、もうひとつは生命の危機である。とりあえずその二つの心配さえなければ、気の持ちようで誰でも「私は幸福な人間です」と言うことができる。
浅田次郎
あれも欲しい、これも欲しい。
「もっと」を突き詰めれば突き詰めるほど、幸せは遠のいていく。
しかし、「これだけあれば十分だ」という最低限の基準を持って、それに満足することができれば、案外豊かな気持ちになれる。
ここが幸せという感覚の不思議なところなのかもしれない。
「十分」という感覚を知るために
○○するだけで十分。生きていくのに△△があれば幸せ。
それだけを満たせばいいわけだから、他のことが自分の思った通りのことでなくても気にならない。人生ほかのことが上手くいかなくても、「そういうもんだ」と気持ちが楽になる。
むしろ、こうしたいああしたい、こだわりが増えれば増えるほど気持ちが満たさなれないことが増えていき、満足な気持ち、満たされる気持ちからは程遠くなる。
となると、幸せになる秘訣があるとすれば、欲望を最低限度に抑えること、欲求水準を低くすること。つまり最低限の足るを知る事が、幸せにつながっているのは疑いようのない事実である。
最低限必要なものを手に入れる
つまるとこと、あれこれ求めても幸せになれない。それなら、求めることをやめて最低限で満足する。それも、幸せになる一つの方法。
自分が最低限満足できる生き方さえ見つけることができれば、もうほかのことはどうでもいい。多少妥協しても、それはそれで、十分納得できる。
この意味で大切なのは最低限。自分にとって最低限、本当に「これさえされば十分だ」というものを見つけることである。
そして、必要以上に何かを欲しがらないこと。あってもなくてもどうでもいいと納得すること。ここに、幸せの極意がある。
あなたの最低限必要なものは何だろうか?それはどうやって手に入れることができるだろうか?そこに、あなたの幸せのカギがある。
出典
『絶対幸福主義』