人は他者との関係のなかで自己の立つ位置を定める。
以前、「自分で自分をほめてやりたい」という流行り言葉があったが、人は自分で自分をほめることはできない。
自分を評価してくれるのは、あくまで他人なのである。自己愛とは、あくまで「他者あってこその自己愛」なのだ。
和田秀樹
人は社会的な動物である。
一生を通じて他人から逃れることはできない。この意味で、自分とは自分が決めるものではなく、他者が決めるものだ。
他者との関係においては、「これが自分だ」という自分はあまり意味をなさなくて、「こいつはこういうキャラだ」という、いわば評判的なものが周囲にとっての自分となる。
だから、自分探しなんかしなくても、周りが自分のことをどう思っているかを聞けば、自分がどんな人間なのか、ある程度理解することができる。
自分をけなす人と付き合ってはいけない理由
ただしそれには注意も必要だ。
周りにいる人、それらがすべて良い人間ばかりとは限らない。なかには歪んだ物の見方をする人もいて、わざと人を悪く評価する人たちもいる。
そういう連中にとって他人とは、貶めるための対象でしかない。だから、人の評価を気にすることも大切かもしれないが、人の評価を気にしすぎるのもいけない。
自分を評価してくれる人と付き合う
どうせ人の評価を気にするなら、自分を評価してくれる人のところへ行くのがいい。そうすれば、自分の良さや魅力を見出してくれる。自分であることに満足できる。
自分を否定する人の近くにいるか。それとも自分を肯定してくれる人の近くにいるか。たったそれだけの違いだが、自分の自分に対するイメージは、大きく変わる。
自分は他人が決めるもの。だからこそ、誰といるかが問題なのだ。
出典
『凡才でも成功する!和田式「人間力」』