好きになるのは苦しい。誰かを好きになるのは・・・。
電車男
あなたは今までの人生で、誰かを苦しくなるほど好きになったことはあるだろうか?
その想いが実った実らなかったことは関係ない。大切なのは、苦しいまでに自分以外の誰かを好きになってしまった。
その経験そのものに、大きな意味がある。それは確実に、人生の大きな宝物である。
世の中、好きになるだけの恋愛なら何度でもできる。しかし、自分の人生においてその人なしにはありえない。幸せは手に入らない。
今、その人がそばにいない。たったそれだけで自分の人生が何もかも無意味に感じてしまう。
それほどまでに誰かのことを想えること自体、まさに奇跡である。そんな恋愛は、人生で一度や二度、あるかないかである。
そして世の中の大半の人は、自分をなくすほど誰かを愛することなく、恋の本当の熱情を知ることなく。人生を終えていく。
この意味で、もしあなたが今までの人生で、誰かを苦しくなるほどまでに好きになったことがあるならば。あなたは非常に幸運である。
その想いが報われたか報われないか。そんなことは関係ない。
大切なのは人を想う気持ちの強さそのものであり、自分が苦しいほどにその人を好きになったという、経験そのものである。
この殺伐とした世の中で、苦しむまでに誰かを愛したこと。それは、人生のなかでとてつもなく大きな意味を持つ。
それはすなわち、あなたの人生には意味があるという、絶対的証拠である。
あなたはこの世に生まれ、そして誰かを心から愛した。それはとても素晴らしいことである。そして、生きていることを実感できる、何よりの勲章である。
もしかりに、想いが報われなかったとしても、ただこれだけは言える。
あなたは本気で誰かを愛した。自分よりも大切な人をこの世で見つけた。それはまさに僥倖。本当に素晴らしいことなのだ。
出典
映画『電車男』