「神は細部に宿る」という建築家の言葉は、仕事にもあてはまる。つい、見過ごしてしまうものにこそ、事を左右する鍵がある。
見城徹
仕事ができる人と仕事ができない人。その決定な差とは、技量とか才能とか、そういうところにあるのではない。
その決定的な差とはつまるところ、凡事徹底。小さいことをきちんとできるかどうか。そこに成功の秘密が隠されている。
「小さなこと」こそトコトンこだわる!
例えば、あなたが上司で部下に仕事を振るとき、小さいことすらきちんとできない部下に、大きな仕事を任せようとするだろうか?
そう、つまりは、小さいことすらきちんとできずに手を抜いたりするような人に、大きな仕事なんて、到底不可能である。
この意味で、あなたが小さいことが気になって仕方がないタイプなら、あなたはむしろ大きく成功できるチャンスを秘めている人なのかもしれない。
だから、小さいことはどんどんくよくよしていい。むしろ、とことん気にしていい。そして、徹底的にこだわっていい。
「細かい」強みをこうして生かせ
多くの人が気にせずスルーするようなこと。「大したことではない」と見逃すところ。そういうところを妥協せず、徹底的にこだわり抜く。そこから大きな差異が生まれる。
この意味で、大雑把より細かい方が人として大成できる。
周囲からうざがられるというデメリットはあるが、細かいところに目が行き届く能力を適切に生かすことによって、人が見いだせないチャンスと可能性を、つかみとることができる。
だから小さいことにこだわっていい。くよくよしてもかまわない。それは確かに、一つの能力なのだから。
最後に
神は細部に宿る。細かいところに目が行き届くかどうか。最終的にはそこで、物事の最終品質が決定する。
「どうでもいい」と物事に大雑把になれば、いろいろ手を抜くことはできる。ただしそこに成長はない。むしろ逆に、「そんな小さいことまで」と周りから言われるくらい徹底的にこだわる方がいい。
人のあら探しにさえその能力を使わない限り、それは大きな可能性を秘めた才能である。そして、成功へ至る道である。
出典
『憂鬱でなければ、仕事じゃない』