人生を生き抜くために必要な本当の意味での「楽観主義」

祈る男

賢明な楽観主義とは、「たとえ途中で不運に見舞われたとしても、長期的に見れば物事は自分が望む方向に進むと信じること」である。

長い道のりを歩もうとすれば必ず浮き沈みがある。長期的には右肩上がりに成長すると楽観的に考えながら、その途中には地雷がたくさん埋められていることも予め想定しておくべきだ。

モーガン・ハウセル

人生は思い通りにならない。

完璧な計画を準備したところで必ず、「想定外」が発生する。自分の責任とは100%言えない出来事によって安寧の暮らしを理不尽に奪われることさえ起こる。そこで大切なのが「信じる」ことである。

今現時点で目の前の状況が悲惨であっても。「どうしてこうなってしまうの?」という理不尽な現実に押しつぶされそうになっても。大切なのは信じることである。「今がどうであれ、これから先はきっと良くなる」と信じることが。

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はじめに

「自分の人生はもうダメだ」

そんな悲観主義に陥るのはとてもかんたんなことである。そもそも生きることは難しい。「生きていく」という過程の中で私たちは常に、不可解で理不尽な出来事によって大切な人生や暮らしを揺るがされる。

だが何に人生を翻弄されようとも、人生をハッピーエンドに変えることはできる。「私の人生はこれで良かった」と納得できるものにすることができる。どうやって?「トータル」で考えることによって、である。

不運な出来事は起こりうる。ただし

ネガティブなことを考えず物事を前向きにとらえる。物事の明るい面だけを見ようとする。それを世の中では「ポジティブ思考」という。

確かに物事を前向きに捉えやたら悲観的に考えることをやめることは大切かもしれない。だが忘れてはいけないのは、いくらポジティブ思考をしようとも人生ではネガティブな出来事が起こるという現実である。

ところが、である。人生でネガティブな出来事が本当にネガティブなのか?不幸な出来事なのか?それは長い目で見なければその本当の意味を、判断することはできない。

なぜそれが起こったのか?今は分からない。だが「それが起こったからこそ」という意味が、やがて分かるときが来る。そして「結果的」にその出来事は決して、無意味に起こったわけではないと気づく。

これが本当の「楽観主義」!

大切なのはトータルで考えることである。

たとえばあなたが今この瞬間、失望の日々を送っていたとしても。それは今の話でこれからはきっと良くなると信じること。自分の人生を「もうダメだ」と見捨てないこと。それこそが、本当の意味での「楽観主義」である。

断言するが、これこそがこれからの時代を生き抜く上で最も必要なメンタリティになるだろう。なぜなら私たちが生きているこの時代、そしてこれからやってくる時代は、より不確実性の高い時代になっていくからである。

何もかもがうつろい、前時代のように「着実な人生設計」がいともかんたんに崩れていく時代を生き抜くためには、目先のことに一喜一憂しているようでは心の安息は訪れないのだ。

これが心の拠り所。

では何が本当の意味で人生の拠り所になるのか?それこそが「楽観主義」である。

人生浮き沈みは起こる。短期的に見れば理不尽や不運な出来事は起こる。でも長い目で見れば、トータルで見れば、自分の人生はなんとかなる。この信頼感こそが本当の意味で、自分の人生を守るための拠り所になる。

たとえ不運な出来事に見舞われたとしても。理不尽な目に遭ったとしても。長期的に見れば物事は自分が望む方向に進んでいる。人生はより良くなっている。

そう信じること。これが本当の楽観主義であり、これからの時代を生きていくために必要な、考え方である。だから信じよう。何が起ころうと「大丈夫なのだ」と。

出典

『サイコロジー・オブ・マネー』