人生で間違った道に進もうとしているとき、そこで興味深い現象が起こる。それは、「悪いことが続く」という現象である。
では、悪いことが続き、運命の軌道修正が必要とされるとき、具体的に何をどうすれば良いのか? そして、そこからどんなメッセージに気づくべきなのか? 本記事では、その点について深堀りしていく。
人にはそれぞれ個別の事象があるため、詳細な例を挙げて語ることはできない。しかし、「今、自分が間違った方向に進んでいるのは分かっている。でも、どうしたら良いのか分からない…」というあなたの参考になれば幸いである。
はじめに
理由もなく不可解な出来事が続き、前に進もうとしてもそれを何かによって阻まれているように感じるとき。
まず知っておきたいこと。それは、人生であなたの目の前に起こるすべて、あなたにとっての「必要な気づき」と考えることである。
だから「なぜこのようなことが起こっているのだろう?」という状況になったとき、1にも2にも優先すべきは、今すぐそこから抜け出そうともがくことではない。
むしろ、「この現状は今すぐ変えられない」という認識を持ち、今起こっていることを一つ一つありのまま、あなたのその経験を他人の経験として見るような感覚で、冷静に起こっていることを確認していくことが大切である。
結論からいって、物事が悪い方向に行ってしまったとき、それを今すぐ軌道修正しようとあらゆる努力をしたところで、現実的には、あなたが今すぐ心安らげる日々を取り戻すことは難しいかもしれない。
なぜかというと、今のあなたの人生とは今まであなたがしてきたことの累積だからであり、今この時点であなたが気づく必要がある何かがあるからこそ、それが起こっているからである。
この意味で、「今すぐなんとかなりますよ」とお伝えできないことを本当に申し訳なく思う。
重要な問題は「繰り返し」起こる!
物事が悪い方向に進み、何をしてもうまくいかない。それは誰の人生でも同じことである。
悪いことが続いたとき、私たちは今すぐそこから抜け出したいと思う。しかし、なぜそれが続くのか? その本当の理由を考えたとき、真っ先に気づきたいのはそれが起こる意味である。
そしてその意味を知るためには、今すぐ状況を逆転しようとする気持ちを棄て、覚悟を決める必要がある。
もちろん、悪い流れが続いたとき、私たちはそこから抜け出そうとする努力をすることができる。場合によっては、それがうまくいき、状況が変わることもある。
この意味で「じっと耐える」という対処法は決して間違ってはいないのだが、再び時間差を経て、また同じことが起こる可能性がある。
そこで学ぶべきことを学ばない場合、その現象は更に顕著である。
重要なのは起こったことに「価値判断」を
このことから大切なのは、自分が悪い方向へ進んでいることに気づいたとき、一度「自分」という主体を横に置いて、今の現状をそのまま受け入れることである。
だから決して運命を変えようとする必要はない。受け身になり、一体何が起こっているのか? 「良い」「悪い」「嬉しい」「辛い」といった「価値判断」をしないことである。
その上でおすすめしたいのは、あなたのそれまでの人生において今あなたが味わっている感情を過去に感じたことがなかったか? それはどんなことだったのか? 内省することをおすすめしたい。
例えば、あなたが今人生で深い失望を味わっているとすれば、過去のあなたの人生でその失望と似たような感情を味わった経験はなかったか?
それがあったとすれば、そのときあなたがどんなことをした結果、そのような状況になってしまったのか? 自分の人生を振り返って、考察するのである。
「今」起こっていることは「昔」起こったこと
繰り返すが、物事がうまくいかず、悪い方向へ行ってしまうときに大切なのは、今すぐ状況を逆転しようとする気持ちを棄てることである。
無理やり動いてさらに事態を悪化させるくらいなら、じっとして、流れが変わるのを待つほうがずっと良い。とはいえ、ただじっとしているだけではあまり意味はない。
その時間は与えられているのである。あなたが今、気づくべきことに気づくために。それに気づくカギとなるのが、今あなたが感じている感情である。
あなたが自分と向き合い、その感情の出どころを探すうちに、あなたは気づくかもしれない。実は昔、同じ感情を味わっていたことに。
そして、なぜその感情を味わうことになったのか? その原因ときっかけが、実は今起こっていることを理解するヒントになるだろう。
人生で悪い流れが続いたとき大切なこと
人生で悪い流れが続いたとき、大切なのはそこから今すぐ抜け出そうとせず、むしろ腹を決めて現実を受け入れることである。そのためには、起こっていることの意味に気づく必要がある。
では具体的にどうすればいいか?それをまとめるとこのようになる。
1.あなたの現実で起こっていることを他人事のように客観的に認識する。
2.起こっている事象とそれによってあなたが感じている感情を明らかにする。(紙に書いてリストアップすることをおすすめしたい)
3.これらの事象と感情をリストアップしたら、過去に似たような経験がなかったか? 同じような感情を感じたことがなかったか? 振り返る。
4.そのときあなたがした行動とその後あなたの人生がどうなったか? 「未解決」の問題を明らかにする。
繰り返すが、あなたが気づく必要がある問題は「形を変えて」繰り返し起こるようになっている。目の前の事象は過去起こった事象とは違うだろう。しかし、その本質は同じなのである。
最後に
人生で悪いことが続くとき、それは教えてくれる。それは、何かが間違っているということを。問題は、なぜそのようなことが起こるのか?意味と理由を理解しようとすることである。
現実で起こる様々な事象について人それぞれ異なるが、ただ言えるのは、たとえ人生が悪い方向へ向かっている最中でも、それは長い人生においてあなたにとって必要な気づきを与えてくれる「貴重な経験」であるということだ。
今すぐその状況をなんとかしたい気持ちも当然であるが、その経験が必ずしもあなたを苦しめようとしているわけではないということにも気づきたい。
そして、人生はあなたがあなた自身を見捨てない限り、なんとかなる。悪いことが起こっても大丈夫。生きてさえいれば、最後にはなんとかなるのだから。
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