
世の中には、ポジティブ思考とネガティブ思考という、二つの考え方がある。
ポジティブ思考は、人生の明るい側面を積極的に見出していく生き方であり、ともかく物事を前向きにとらえる。
そのため、
「ポジティブシンキングおたく」
「意識が高い」
などと揶揄されることもある。
一方、ネガティブ思考は、人生の暗い側面に意識を向ける考え方であり、
「○○がうまくいかなかったらどうしよう」
「○○は最悪だ」
など、物事を後ろ向きにとらえ、不安や問題点に意識を向けやすい傾向がある。
そして、ネガティブな考えを続けることで、実際の出来事をより苦しく解釈しやすくなることがある。
しかし、ここで「どちらが正しくて、どちらが間違っているのか」を論じることに、あまり意味はない。
なぜなら、どちらにも長所と短所があり、それぞれに存在する理由があるからである。
なぜ「思考」が人生を創るのか?
正しいか間違っているか。
大切なのは、あなた自身にとってどちらがベストなのかということである。プラスとマイナスの両面を理解し、納得した上で、自分にとって必要な選択をすることが重要である。
実際のところ、もし人生を楽しく、明るく、幸せに生きたいのであれば、ポジティブになって「いつも私は運が良い!」と信じてみる価値はある。
そうすることで、普段は見落としてしまいそうな小さなチャンスや、人生の中の良い出来事に気づきやすくなる、と言った方が近いかもしれない。
また、明るい雰囲気は周囲に安心感や親しみやすさを与えるため、人間関係を良好に保ちやすくなる。その結果として、仕事や恋愛、人付き合いなどにおいても、好ましい流れを引き寄せやすくなるのではないだろうか。
もし、あなたがこの事実を実感したいと思うのであれば、次の「2つの生き方」を想像してみることで、その効果をリアルに体感することができるはずだ。
1. 意識して明るく振る舞う生き方
人前では自然な笑顔を心がける。悪口や愚痴、不平不満といった、自分の心をトゲトゲしくさせてしまう言葉は、できるだけ言葉にしないよう意識する。
「自分はOK」
「人生はうまくいく」
など、明るい言葉を意識して自分に言い聞かせる。
2. 常に暗いことに意識を向ける生き方
現実に対して文句を言い、「これは最悪だ」「あいつが嫌いだ」など、いつもイヤなことばかり考える。そんなことばかり考え、愚痴や不平不満を口にし続ける。
この習慣を1年間続けた場合。顔の形そのものは変わらないかもしれないが、表情や雰囲気に表れやすくなる。
前者の場合は、明るそうな雰囲気の顔つきになり、人が近づきやすい空気を醸し出す。「内面が表情に現れる」というのは、まさにこのことである。
一方、後者であれば不機嫌さや否定的な空気が表れやすくなり、人から距離を置かれやすくなることもある。
このように、思考は行動に影響し、行動は人間関係に影響する。そして、その積み重ねが人生の結果に大きな差を生み出していくのである。
現実の観察から傾向をつかむ
もしあなたが、ポジティブ思考とネガティブ思考の実際的な意味を実感したいのであれば、あなたが普段顔を出している場所において、
1.一緒にいて心地よいと感じる人
2.少し距離を置きたくなってしまう人
などを、思い浮かべてみるとよい。
そうすると、どのような雰囲気や言葉づかいが周囲に安心感を与え、どのような振る舞いが人を遠ざけがちなのかが見えてくる。理屈よりも、実際の現実を観察する方が多くのことを教えてくれるはずだ。
私自身もネガティブ思考とポジティブ思考の両方の生き方を経験してきた。実体験から得た結論として言えば、ネガティブに考えていた頃の私は、仕事も人間関係もうまくいかず、毎日が楽しくなかった。
しかし、意識的にポジティブな考え方を習慣化するようになってから、少しずつ変化が現れ始めた。自己評価が改善し、人と接することへの抵抗も減った。
会う人からは「営業のお仕事をされているのですか?」と聞かれるようになり、人から声をかけられる機会が大幅に増えた。人間関係も穏やかになり、良い気分で過ごせることが多くなった。
もちろん、嫌な出来事が完全になくなったわけではない。人生には思い通りにならないことも数多くある。
しかし、考え方が変わることで受け取り方が変わり、結果として以前よりも快適に生きられるようになった。少なくとも私自身の経験では、それは確かな変化だった。
ネガティブは、生きるために必要だ。
ここまで読んだあなたは、もしかしたら「ポジティブが正しいのか?ネガティブであることはダメなのか?」と思ったかもしれない。
しかし、ここで私が強く強調しておきたいのは、ネガティブを全否定しているわけではない、という点である。
ネガティブにも大切な役割がある。なぜなら、ネガティブな感情は人間の生存本能と深く結びついているからである。
不安があるからこそ危険に気づくことができる。失敗を恐れるからこそ準備をする。将来を心配するからこそ対策を考える。
もし何もかもを「私はポジティブだから大丈夫」としか考えなければ、現実への備えを失ってしまう。
アリとキリギリスの寓話のように、ポジティブであるだけではうまくいかない現実に直面することになる。ネガティブにはネガティブなりの、存在価値があるのである。
ポジティブは70% ネガティブは30%
人生は基本的にポジティブ寄りに生きた方が楽しい。人間関係も良くなりやすく、挑戦もしやすくなる。だからといって、ネガティブを完全に排除する必要はない。
大切なのは、ポジティブな自分とネガティブな自分、その両方をバランスよく統合し、実際の人生においてプラスに活かしていくことである。
「ポジティブばかり」では現実が見えなくなることもある。逆に、「ネガティブばかり」では人生そのものが苦しくなりすぎる。
だからこそ、
ポジティブ70%
ネガティブ30%
それくらいのバランスがちょうどよいのである。
人生の「明るい側面」に意識を向ける
では、具体的に何をどうすればよいのか。
これから挑戦したいことには積極的にOKを出す。
「自分ならできる」
そう信じて行動してみる。
後ろ向きになりそうなときでも、意識して明るいことを考える習慣を持ち、人生を一歩一歩、着実に前進させていく。
あなたのやる気が出る言葉や、心が「ほっ」と明るくなる言葉を大切にする。また、明るい気持ちになれる人と会うことや、励まされる本を読むことも助けになる。
あなたが「意識して」人生のポジティブな側面に目を向けることによって、たとえ目の前の現実が変わらなかったとしても、人生は確実に生きやすくなる。
そして同時に、不安や恐れにも耳を傾ける。ネガティブな感情を無理に押し殺す必要はない。その感情が何を伝えようとしているのかを理解することもまた大切なのである。
他人にポジティブを「押し付けない」
このように、人生の明るい側面に意識を向け、気持ちを明るくする習慣を持つことによって、実際に人生には明るい出来事が増えていく。
ただし、ここで注意したいのは、ポジティブ思考を周囲に強要してはいけないという点である。
自分が前向きに生きることは素晴らしい。しかし、
「だからあなたもポジティブになるべきだ」
という考え方は別問題である。
人には人の人生がある。人には人のペースがある。あなたは自分の人生を生きればよい。そして相手には相手の人生がある。そのことを忘れてはならない。
考え方を変える。それが人生を変える第一歩
人生において大切なのは、
「どう考えれば人生がより良くなるのか」
という視点である。
もしあなたが、
「あの人が気に食わない」
「仕事が嫌だ」
「恋人に不満がある」
という思いに引きずられ、「人生なんて最悪だ」と心を閉ざしてしまっているのであれば、そこから少しだけ、考え方の角度を変えてみる価値はある。
それは、嫌なことを無理に好きになるという意味ではない。その不満を「自分が本当はどう生きたいのか」を見つけるためのサインとして受け止めてみる、ということだ。
そのネガティブによってあなたは、人生をより良くする、「新しい可能性」に気づくことだってあり得るのだから。
最後に
私たちには「考える力」がある。どんな状況にあっても、より良い可能性を思い描くことはできる。
そして、
「自分の人生はうまくいく」
「幸せになれる」
「豊かになれる」
と信じることができる。
前向きな考え方を持ち続けることで、行動が変わり、人との関わり方が変わり、人生も少しずつ変わっていく。
そしていつの日か、人生において考え方がどれほど大切なのかを、結果として実感する日が来るかもしれない。私は、その可能性を信じている。
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