人を大切にすれば運がやってくる理由

ニコニコな人々

運というものは雨降り風吹き自然が持ち運んでくるものではない。運を運んでくるものはほかならぬ人の世であり人間である。

その人間のひとりひとりに好感を持たれることは、必ずそうなると保証はできないが、少なくとも運に似た優しく暖かい風が吹くのではあるまいか。

自分自身のことしか念頭になく、他人には邪険な行為で接し、人助けなどに何の益があるか、とうそぶいている人に、世間は運を持って来たことなんてありえない。

けれども我が人生を世間への報恩と考えている人に、世間は決して冷たくあしらわない。

谷沢永一

運は人を通じて運ばれてくる。

だから、人に応援される人は運に助けられ成功し、人を軽んじ、人から嫌われる者は、運に恵まれないまま、一生を終える。

結局世の中は人である。だから、人に好かれるか好かれないか。応援されるか邪魔されるか。その差は果てしなく大きい。

この意味で運が良い人になりたければ、「あの人のことを応援したい!」と思われる存在になることが必要不可欠なのかもしれない。

人生でつまづいても誰かが助けてくれる。応援してくれる。

この意味で、人は結局、自分一人だけの力では、何一つ成し遂げることができない。何事も結局は、周りの応援と支援があってこそのものなのだ。

だから、運が良い人になろうがなろまいが、自分は誰かに生かされている。そんな謙虚さだけは、いつまでも持ち続けていたい。

出典

『日本人が遺してきた知られざる名文・名句』